第49ニャ【手を繋ぐニャ】



 ぬ子は、猫神様の鞄を開けた。


 そのにゃかには、マタタビが。


「え〜、つかえねーニャ」

「ぬ子、よく見て。このマタタビ、先が鋭利な刃物みたいになってる」

「あ、ほんとだニャ」


 すると、ぬ子のマタタビが淡い光を放ち出したニャ。猫神様にもらった、初心者向けのマタタビ。

 よく見ると、そのマタタビもおにゃじようニャ形に変形していたニャ


 もしかして、


 ぬ子は断崖絶壁にそれを突き立ててみたニャ。すると、サクッと引っかかって固定された。

 そうか、その時必要なものが出るって言ってたニャ。つまり、これで崖を登れってことか!


 ぬ子は片方のマタタビをモンローに手渡したニャ。そして、手をつにゃぐ、一緒に登るニャ


 振り返ると、お姉ちゃんがいたニャ


「行きなさい、ぬ子、元気で」


「お姉ちゃん……」


「最期に会えて、本当に良かった」


「ぬ子も、お姉ちゃんに会えて良かった。本当は、もっと甘えたいけど、ぬ子、神様だから、もう成猫おとにゃだから、行くニャ」



 さようニャら、お姉ちゃん、大好きだニャ

 その人と、幸せにニャってね



 登る、ひたすらに、登る!

 かニャりキツいけれど、モンローと協力して崖を登っていくニャ。こんニャところで、終われニャい! ぬ子も、モンローも!

 それに、すばりが待ってる!


 そんニャ思考を巡らせていると、ぬ子達の視界に一羽の鳥が。鳩だニャ!


「ポックル、クル!」


 え? にゃんだって?


「クルック、ポポ! ポポポ!」


 あ、行ってしまったニャ


「今の、ハトホルよね? アレがいるってことは、ゴールは近いわよ!」

「そうかもニャ! 頑張る、ニャ!」


 それから少し登ると、夜空が見え始めた。

 やった、これでにゃんとかニャりそう、って、しまった!?

 足を踏み外したニャ、お、落ちる!


 せっかく、ここまで来たのに!!


 すばりぃっ!!



「ぬこぉぉぉぉぉぉっ、つーかーまーれー!!」

「す、すばり!?」



 咄嗟に、ぬ子は咄嗟にすばりの手を掴んだニャ。目が合う、眼鏡が崖の下に落ちる

 逆さまのすばりの脚を掴んでいるのは、


「猫よ! よく頑張った! 音楽を通じてわかり合った友を助けに来たぜー!」


 えんやのお兄ちゃん! あ、更に!


「ぐぬぬ、重いんだよこのロック野郎!」

「虎介くーん、がんばっ、てー、ピョン!」


 虎介! みみ!


「でしゅるー!」「はぅぅっ」プルプル!


 イノも、ちぃも!


「はなすんじゃないよーっ! ふんがー!」


 アジャコンダさん!


「ひ、ヒヒィィィィィン!」


 ポニ!


「おんどりゃぁっ!!」


 は、羽乳……!?


「ぼく、だっ、て!!」


 もふ男、毛が千切れそう!


「げ、限界っす! はやく引き上げないと、ボク達も巻き添えになるっすよ!?」


 かっぴゔぁらまで!


「ポッポ! ポポポ! ポポポ、ポッポ!」


 ハトホルは応援かニャ? 違うね、多分、君が伝えてくれたんだニャ! ありがとう!


「すばり!」

「ぬ子、我は、猫が好きだ! うおおぉぉっ!」



「「「いっけぇぇ!!!!」」」



 ぬ子の身体が宙を舞う、まるで一本釣りされたさかにゃみたいに

 そして、そのまますばりにダイブしたニャ!


 登り切ったニャ、みんにゃが助けてくれたおかげで!


「あ、ありがとうニャ!」


 すると、みんにゃは笑顔で応えてくれた


「ぬ子、これはぬ子の人徳だ。いや猫徳か。レース中、勝ち負けを顧みずに皆を助けてきたぬ子の優しさが、返ってきたのだ。胸を張れ、胸はないが!」


 猫パンチ!!!!


 全く、ムードもクソもニャいや

 結局、全員集合しちゃうし、どうしたものかニャ


 誰も、負けるわけにはいかニャいんだ



「すばり、はにゃしがあるニャ」

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