2月

2/1 文章の上手さ・他

 ピエール・エルメ監修のドーナツがどうしても食べてみたくなって、久しぶりにミスドに参りました。

 一個にしときゃあいいものを二つも食べてしまったことを、今やや公開しております。胃が重い……。


 ミスド、たまに猛烈に食べたくなる

 ミスド、食べた直後は大体後悔している

 ミスド、昔やってたカルピスドーナツが美味しかったので復活してほしい

 ミスド、なんだかんだ言ってお前のことが好きだよ

 ミスド、でもドーナツはフロレスタが一番好きなんだ


 以上、なんとなくミスドに対する思いを打ち明けてみました。ちなみにフロレスタはコーヒーが美味しいところもポイントが高い。



 話は変わりまして、昨日とりあげた「上手な文章」について。書いた後に、これぞお手本にしたいという文章を書かれる作家さんのことを思い出しました。ずばり、須賀敦子さんでした。

 私などがわざわざ言わなくても、須賀さんの文章が素晴らしいことくらい皆ご存知のはずではありますが、やはり「すげえなぁ」とため息こぼさずにいられません(←須賀敦子さんのご本を読んで感想が「すげえなあ」しかない所が私のダメなところですよ)。 

 あの、読むだけで心に滋養が満ちてゆくような文章……! これみよがしな美文調ではなく、凝った言い回しもつかわないのに、淡々としみいる端正な文章……! 

 憧れるのもおこがましいほどの素敵な文章ですよね。


 よし、写経するならまず須賀敦子だ! と心に決めた二月の頭でした。そして実際に写経するかどうかは不明……。


 

・最近のカクヨム……

 小説のアイディアが降ってこない今、勇気を出して『ハーレムリポート フロム ゴシップガール』の改稿作業に取り組んでいます。頭から読み返して、後半と設定が食い違う所などを修正しているところです。

 あとがきエッセイに詳しいのですが、本作は見切り発車で連載を開始して書きながら設定を固めたようなところがあるために、前半と後半とでは小道具の設定や呼称、漢数字と英数字の使い方や鍵カッコの使い方に違いがあるのですよ。それがずっと気になっていたので、この機会に改めています。章によっては大幅に変わってるところもありますが、ストーリーそのものに大きな変更はありません。今のところ#9まで(とりあえず)済んでいます。……少しでも読みやすいものになっていればいいのですが。


 しかし読み返して気づくことは、序盤は手探りながらものびのびと無理せず書いているという点ですね。先ほど述べた通り、自分自身もどんな物語になるかどうか全く分からないまま書き進めていたので、前半は不安ながらも余裕があったのですよ。身の丈に合わない、難しくややこしいことは書かないであろうという見積による大らかさが文章に伺えます。

 ――少女たちの陰謀や人間関係、戦闘描写、並行世界がどうの世界改変がどうの、箱に閉じ込めた猫がどうのという明らかに手に余るネタに手を出して、泣くほど苦労した後半とは大違いです。


 しかし、文章は削ってナンボといわれる改稿作業……。私の場合、削れるどころか増えてしまいます。何故だ? まだ改稿が甘いということか? 


・本の話……

 久しぶりに漫画の話など。

 話題になっていた漫画版『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ・原作、小梅けいと・漫画)を購入して読みました。原作の方も一応読んでいます。

 漫画版と原作の大きな違いは、絵があるという点に加えて、アレクシエーヴィチさんと思わしきジャーナリストが、老いた元女性兵士たちに取材をしている場面もその絵に描かれているところでしょうか。そこに漫画版独特の情緒や面白さが生じているように思います。


 私は著者が表に出てこず、読み手の印象を誘導するのを極力さけたような原作版の読み心地が好きですが、漫画版は漫画版で読みどころもあり嫌いではありません。原作で印象に残っていた、「行軍中に通過した村で、コーヒーを飲んでいたドイツ人女性」の絵が見られたのは感慨深いものでした。――それと、非常に頭の悪い感想ですが、女性兵士の絵がエモくて良き(ただこの絵が良いだけに批判を呼びそうな気もした)。


 あと、この漫画に関しては、Twitter経由でみかけた池上彰氏の推薦文……「声高に反戦を訴えないがために却って真に迫る」みたいな言葉が、批判的な意味で引っかかっているとだけ申し上げておきます。

 なんといいますか、映画『この世界の片隅で』を盲目的に評価する向きと通じるものを感じるんですよね、「声高に反戦を訴えないが為」云々。

 

 実際、漫画版の『戦争は女の顔をしていない』と『この世界の片隅に』は、「戦争と女性」みたいなものの消費の在り方が共通しているものではないかなと思ったりしています。良くも悪くも。


(……いや、映画そのものはもちろんすばらしいんですよ、『この世界の片隅に』。そこに異論はないです。漫画の方はいつか読みたいとおもっているものの未読です)


 いつか戦争をテーマに書いてみたいものがある者として、頭の中にとどめておこうと思った事柄でした。

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