第五章 束の間 ~動き出す闇~
拷問
※忠告します。この話に関してはタイトル通りの拷問しか行いません。
この話は読まなくても「World Tune」本編に影響をしないようにしています。
ですので、残虐的な行為を読むことが苦痛な方や嫌な方は飛ばすことをお勧めします。
前述した内容をご理解の上、それでも読みたいという方のみスクロールして読んで下さい。
目が覚めると見知らぬ場所にいた。男には全く身に覚えのない場所だ。男は考える。「ここは、どこだ?」「なぜ、僕はこんなところにいる?」疑問を持ち考えているといろいろと思い出す。自分のことを……。
自分はスターリン・デイン。レインベルク王国にある王都レインの貴族であるデイン家の長男だと。
「ここは……?」
「おかえりなさい」
「――ッ!」
突然の声にスターリンは驚く。身体は動かないが視線を声がした方へと向ける。そこにいたのは漆黒のローブとピエロの様な仮面をつけた魔術師『
レイブンを見たスターリンは顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。
「貴様! この僕にこんなことを――」
「あぁー、はいはい。もう聞き飽きたわ。そんなことよりも再開するから」
「再開……? なんの話だ……?」
「うふふふ。あなたは気にしなくていいのよ? それよりも……、自分の姿をよく見たら?」
レイブンに言われてスターリンは自分の置かれている状況を確認する。そして、驚愕する。スターリンは捕らえられているが、その姿は異様だった。四肢は欠損して存在しない。身体を鎖のような物で固定され身動きすることもできない。周囲に見えるのは血液が飛び散った刃物、人体の一部のような物体、さらにおぞましいとも呼べる異形な魔物。
「こ、これは……、な、なんなんだ……。一体何をするきだ!」
「はぁ……、説明をするのもいい加減面倒になってきたわね……。でも、説明をした方が恐怖をより与えられるから仕方がないか……」
「何をわけのわからないことを! おい! 僕を自由にしろ! そして、僕の身体を元に戻せ! そうすれば許して……ぎゃぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!」
スターリンの抗議の途中だったが、レイブンは何も言わずにスターリンの性器を刃物で切り落とした。突然のことにスターリンは絶叫を上げる。そんなスターリンを見ながらレイブンは仮面の下で満面の笑みを浮かべる。
「あらあら、大変ねー? あなたの大事なそれ切れちゃったわよ? どうする? 血もいっぱい出てるし? とっても痛いんじゃないの?」
「ぎ、ぎざまーーーーーーー! な、なんてことを……」
「ふふふふふ。やっぱり最初の方が反応が新鮮で面白いわね」
「さ、さっきから何を――」
「うん? あぁ、あなたは気にしないでいいわよ? でも、安心しなさい? あなたはそんなことじゃあ死なないから」
「な、何を言って――ぎゃぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
突然スターリンの身体に変化が生じる。切り落とされた性器部分の傷口が動き始める。そして、その部分から新しい性器が生えてきた。そう、スターリンの性器は見事に元通りに再生した。しかし、再生時には先程レイブンに切られた以上の苦痛が生じていた。スターリンは自分の身体に起こった出来事に混乱する。そんな混乱するスターリンへレイブンは楽しそうに話しかける。
「良かったじゃない? あなたの望み通り元に戻ったわよ?」
「な、何をした……? 回復魔法か……?」
「まさか。あなたのようなゴミ以下の存在に回復魔法をかけるなんてことはしないわ。喜びなさい? あなたは
「か、
「えぇ、そうよ」
仮面の下でレイブンは冷たい笑みを浮かべながら説明をする。
「人間を不死にするという実験は前から行っていたのよ。でも、結果としては全て失敗……。まぁ、当然よね? そう簡単に不死身にするなんてできるわけがない。でも、
「ど、どういうことだ……」
「ふふふふ。
レイブンの説明を聞いたスターリンは戦慄する。つまり自分は
「うがぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「ふふふふふ。ごめんなさい? 何か考えごとをしているみたいだったから? あなたは考える必要なんてないのよ? ただ、泣き叫んで私を満足させなさい」
「ま、待て……。こ、これ以上は……。う、がぁぁぁぁーーーーーーーー!!!」
抗議をしているとスターリンの身体は再生を開始する。そして、苦痛が生じる。度重なる痛みによりぐったりと項垂れているスターリンへレイブンは次の一手を打つ。それは熱した金属の棒を右の眼球へ押し当てる。
「あ! あああああぁあああぁぁあーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
声にならない絶叫をスターリンはあげるがレイブンは気にすることなく拷問を続ける。眼球が焼かれ眼の水分が全て蒸発してもレイブンは鉄の棒を突き立て続ける。ある程度続けたあとで金属の棒を乱暴に引き抜く。
「どう? 少しは反省できたのかしら?」
「ゆ、ゆるし――ぎゃぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
謝罪をしようとするが眼球の再生による苦痛がスターリンを苦しめる。そんなスターリンを眺めていたレイブンは次の行動を行う。それは……
「あらあら、大変ねー? そうだ。せっかくだから一回死んでみましょうか?」
「……な、何を……」
『
レイブンはスターリンに詳しく説明をせずに魔法を放つ。業火がスターリンを包み込む。そして、スターリンの身体は灰となる。そう、スターリンは死んだ。通常なら……。しかし、灰となったはずのスターリンは徐々に身体を形成させる。ついには元のスターリンへと戻った。だが、当然代償がある。それはありえないほどの苦痛。再生する時には業火に焼かれた苦痛をまた味わっていた。
「あ……ぁ……あ……も、……ゆ……し……」
「うん? あぁ、火は嫌いだった? じゃあ、こっちにしてあげる。お前達……。やれ!」
レイブンの命令に従い周囲にいた異形の魔物が動く。すると魔物はスターリンへ覆い被さると口から酸の液体を出す。液体が身体に触れると身体は『ジュウジュウ』と嫌な音を立て焼かれていく。その苦痛でスターリンが叫ぼうと口を開けた瞬間に魔物はスターリンの口に吸いつき直接身体の中へ酸を流し込む。身体の中から焼かれる苦痛と呼吸のできない苦しみを同時に味わうことになる。
一分もしないうちにスターリンの身体は跡形もなく溶けてしまう。しかし、それでもスターリンの身体は再生を始める。魔法陣が光るとスターリンは徐々にだが確実に復活していく。だが、またしても再生時に死んだ時と同じ苦痛を味わう。
「……ぁ……ぅ……ぉ……」
「あら? また壊れたの?」
度重なる苦痛によりスターリンの精神は崩壊した。
「ふん! 全く。面倒ばかりかけるのね。これで何度目?」
そんなレイブンの言葉に部屋の片隅で控えていた部下が答える。
「はい。レイブン様。これで、十九回目です」
「そう。じゃあ、また精神を戻すわよ? 準備して」
「はっ!」
そういうと周囲が慌ただしく動きスターリンへ魔法をかける。
『
本来の『
「ここは……?」
「おかえりなさい」
「――ッ!」
そう。この拷問に終わりなどない……。拷問が終わる時はレイブンが死に魔法の効果自体が消失したときか、魔法陣を破壊するまたは魔法陣からスターリンが出なければスターリンは死ぬことも許されない。この拷問は終わらない……。そして、また初めから拷問は繰り返される。
※ここまで読んで下さった方、お疲れさまでした。大したことないという方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的には書いていて気持ちのよいものではありませんでした。しかし、スターリンの最後はこのような最後と決めていました。簡単に書くこともできましたが、責任を持って書こうと思い書かせてもらいました。この回に関してはないものと考えてもらっても結構です。次話に簡単な文章で拷問の部分は記載しております。
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