きみのそばにいさせて

作者 千石京二

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★★★ Excellent!!!

言葉の選びがお見事で、描写がとても美しいです。そして、一人称視点ならではの主人公の心の緩急が凄まじく、いつの間にか没入し、物語は最後を迎えていました。

妻の死に直面した主人公とが、思い出を振り返る。それだけなのに、なぜこんなにも冷たく、そして暖かいのでしょう。
おすすめです!是非ご一読くださいmm

★★★ Excellent!!!

彼がいかに君子さんのことを大切に思っていたのか、言葉から、文章から、たくさん伝わってきました。
色んな感想が思い浮かんできましたが、私の言葉では、この二人の尊い生活を、正しく言い伝えることはできそうにありません。
今、こうして作品を読み終わり、胸がいっぱいです。
私にとって、大きな存在感のある作品です。

★★★ Excellent!!!

いっきに読めました。
曇りひとつない純粋な恋愛の始まりから短すぎる終わりまでを描いたお話です。
死んでしまった君子には、悪いし、不謹慎だと思いますが単純に羨ましかったです。
こんなふうに一途に好きになってくれる夫がいるなんて羨ましい、私もできればこんなふうに死にたい、素敵だなと思ってしまうほど
きれいなお話でした。特に女性におすすめです。

★★★ Excellent!!!

朝目覚めると、隣で妻が亡くなっていた。

主人公の頭の中には、徐々に妻との出会いから結婚までの記憶が鮮明に流れ始める。
2人は、確かに幸せだった。



突然、愛する人の死を目の当たりにする衝撃の始まりから幕開けするお話。
しかし、悲しくもどこか幸せを感じてしまうのは、作者の表現力によるものだと思います。

この切ない恋愛ストーリーは、大切な人がいる人ほど読んでほしい。

是非、ご覧ください。

★★★ Excellent!!!

メメント・モリ、すなわち「死を忘れるな」という警句をテーマに掲げた短編。
この問題は限りなく普遍的なので、そりゃあもう古今東西様々な文学的アプローチがあるわけであるが、本作品は「愛」の向こう側に「死」を覗き見ることで、死のもたらす断絶の大きさとそれが人にもたらす衝撃を描き抜いている。我々はいかに死ぬべきかというテーゼはいかに生きるべきかに繋がるわけであるが、いかに生きるかという問題は、つまり「いかに人を愛するか」ということでもあるというわけだ。

★★★ Excellent!!!

 すべて人間は死すべきものとして生きています。生命が限られたものであるという前提条件を抜きにして、私たちの生の形はあり得ません。それは当たり前といえばあまりにも当たり前のことですが、誰もが日常に取り紛れてそのことを忘れがちです。今日生きているものは明日も生きているだろうと、実は不確かなものに過ぎない予断を日々重ねながら私たちは生きています。
 そのことを得心するのに必要なのは、身近な人の死か、宗教や哲学か、あるいは物語でしょう。

 愛する人の死を扱った物語は古代以来数知れませんが、それだけに単に安易な感動を誘うことを狙った作り物めいたものもまた枚挙に暇がありません。
 しかし私たちがそういった物語に本当に求めているものは、単なる情動ではなく、身体レベルまで突き刺さってくるような切実さだと思います。
 物語に切実さがあってはじめて、読み手は日ごろ忘れていた死の意味を思い出し、その死が照らし出す生と愛の意味を切実に感じることができるはずです。

 千石京ニさんのこの短編に、わたしはその切実さを感じることができました。書き手である千石さんが技術的に優れているからなのか、どうしようもなく切実な気持ちでお書きになったからなのか、その両方なのか、それは読み手たるわたしには知るよしもありません。しかし、わたしが読みながら何度もブラウザを閉じたくなったほど強く感じたこの切実さは、紛れもなく本物であり、その一点だけを取ってもこの作品は成功していると断言できると思います。素晴らしい。★★★★★。