100.エピローグ

 三〇〇年後――


 長い長い時間が過ぎた。

 その時間の中で、世界は少しずつ変革されていった。

 種族間の差別はなくなり、それに伴う争いもなくなった。

 人口が増え、国が増え、街が増えていった。


 そんな世界には、ある伝説が語り継がれていた。


 今よりずっと昔、争いが絶えなかった時代の話だ。

 魔神という存在が世界を、人々を脅かしていたらしい。

 そして、魔神を討伐した二人の英雄がいた。

 彼らは世界を救ったにも関わらず、国に裏切られてしまう。

 国を出た彼らは、隣国で魔術を教える先生となった。

 

 穏やかな日々過ぎていく。


 しかし、またしても世界は揺れた。

 種族同士のイザコザが、世界規模に大きくなってしまったのだ。

 そんな世界を救ったのは、かつて世界を救った英雄たちと、その教え子だった。

 彼らは言った。

 世界のために戦ったのではない。

 自らが暮らす国と、そこで学ぶ教え子たちの未来を守るために戦ったのだ。


 二度も世界を救った英雄は、もうかの国にはいない。

 最初の教え子がこの世を去った後、当てのない旅に出たという。

 彼らの時間は有限ではない。

 これまでも、今も、これからも生き続けていく。

 だからきっと――


「さて、次へ行くか」


「うん」


 今もどこかで教鞭をとっている。

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世界を救ったのに追放されたので、となりの国で魔術学校の先生になりました 塩分不足 @ennbunn

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