13.授業終わりの談笑

 授業は終わり、帰りのホームルームの時間になった。

 今日は午前と午後に二回ずつ、俺とユノアの授業があった。

 どちらも滞りなく終わり、無事にこの時間を迎えることが出来ている。

 生徒達の表情も良いし、好印象で終われたようだ。


「明日の説明は以上、それじゃ解散だ。みんな気をつけて帰れよ」


 ふぅーなんとか切り抜けたな。

 授業初日はやっぱり緊張した。ずっと気を張っていたから疲れもたまっている。

 魔物と戦うより、よっぽど疲れるぞこれ。


「先生!」


 教室から出ようとした俺とユノア。

 それを生徒の声が引きとめた。

 声の主はレノアだった。振り返ると席を立ち、壇上の近くまで降りてきていた。


「どうした? レノア」


「あの、さっきの授業で質問があって。少しだけお時間いいですか?」


「もちろんいいぞ」


「ありがとうございます! えっと、詠唱のことなんですけど――」


 レノアと俺のやりとりは、他の生徒たちも聞きに来ていた。

 そして俺が彼女の質問に答えている間、ユノアの周りにも生徒が集まってきた。

 同じ精霊使いのユーリが質問を口にする。


「先生はどんな精霊と契約されてるんですか?」


「ボク? 一応四大精霊とは契約しているよ」


「えっ、もしかして四大全部ですか??」


「そうだね」


「すごい――それってあの魔神を討伐した精霊使いと一緒じゃないですか!」


「あの人ほどじゃないよ。ボクが契約しているのは精霊王じゃないからね」


「それでも凄いですよ!」


 ユノア達の話を横耳に聞きながら、レノアの質問に答え終わった。


「これでいいか?」


「はい! ありがとうございました。先生って教え慣れてるんですね」


「いや、人に教えるなんて今回が初めてだぞ」


「そうなんですか? すごくわかりやすかったから、てっきり慣れてるのかと思いました」


 そんな風に見えてたのか。

 意外だったな。

 結構手一杯で余裕無かったんだけど、案外教えるのって俺に向いてたのか?


「みんなはどうだった? 今日の授業」


「とってもおもしろかったよ!」


 ネロが大きな声で答えた。


「あと頭の悪いオイラでもわかるくらい、すっげぇわかりやすかった!」


 生徒達から嬉しい声がたくさん上がった。

 この声を聞いているだけで、明日も頑張ろうと思えてくる。


「そっか……なら良かった」


 本当は不安だったけど、先生って良いもんだなぁ。


「明日からの授業も頑張るから、みんなもついてきてくれよ」


 この後も放課後の談笑は続いて、生徒達との距離が少し近づいたように感じられた。

 こうして俺達の初授業は大成功で終わった。

 

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