8.Aクラスの生徒達

「簡単だけど、俺達の自己紹介は以上だ。次は皆が自己紹介する番だな。俺達への質問は、その後に受けよう。それじゃ、俺から見て左から順に頼むよ」


「はい!」


 最初の生徒が立ち上がった。


「レノア=ハリストンです! 炎魔術が得意です。趣味は魔術戦。身体を動かすのが好きです! 将来の夢は大英雄を越える魔術師になることです!!」


 彼女は今年度の首席合格者。

 赤い髪色をした貴族の娘で、ハキハキした話し方から活動性の高さが窺える。


「ありがとう。みんなも今みたいな感じで頼む」


 続いて青い髪で右目の隠れた少女が立ち上がった。


「ミシェル=ターナー……です。得意魔術は幻惑系で……趣味は特にありません」


 ミシェルは次席合格者。

 引っ込み思案で人見知りだが、得意の幻惑魔術は一流。


「僕はローラン=ワイズマンです。みんな知ってると思うけど、一応これでも王族です」


 次に自己紹介をした金髪の男性は、国王リガルド=ワイズマンの息子だった。

 見た目、中身共に爽やかな少年で、人当たりも良い。

 王族というだけあって、魔力量はレノア以上だ。


「私はトール=グレンジャーです。ローラン殿下の護衛を務めております」


 メガネをかけた灰色の髪の少年がトールだ。

 彼は自分で口にした通り、王子であるローランの護衛を担っている。

 華奢な見た目をしているが、魔術だけでなく剣の腕もたつらしい。

 ただ、ちょっと固い性格のようだ。


「次はオイラだな! オイラはゴルド=ロックウェル! 錬成魔術が得意なんだ! みんなよろしく!!」


 ゴルドはドワーフ族だ。

 小柄な体格だが元気は人一倍良いらしい。

 ユーモア溢れる性格は、中等部でも人気だったそうだ。


「オレはイズキ=クロガネ。誇り高き鬼の一族だ! 細かい魔術は苦手だが、ぶっ壊すのは得意だぜ」


 少し野蛮な発言をした彼は、鬼族と呼ばれる特殊な種族のイズキだ。

 鬼族には二本の角が生えていて、角の大きさは鬼としての強さを表しているらしい。

 また理性を失うのを条件に、一時的に身体能力を向上させる鬼人化と呼ばれる技をもっている。


「ミズキ=イザヨイです。私も鬼族ですが、半分は人間です。よろしくお願いします」


 黒髪ロングのクールな彼女は、イズキと同じ村で生まれた鬼族の一人。

 ただし母親が人間だったため、純粋な鬼族と違い普段は角が隠れている。

 イズキとは幼馴染らしいが、会うたびに喧嘩しているという話だ。


「ルーク=ウィリス。……よろしく」


 彼は貴族の中でも王家に連なる家系らしく、ローランとは従兄弟同士のような関係。

 鋭い目つきをしているが、話すのが苦手なだけ。

 慣れてくると、普通に話してくれるようになるらしい。

 赤黒い髪色が特徴的だ。


「はいはーい! あたしネロ! ネロ=オスカルです! 趣味は綺麗な石探しぃ~ みんなも見つけたらあたしに教えてねぇ~」


 ネロは獣人族の少女だ。

 薄茶色の猫耳としっぽは、彼女の感情の起伏に応じて動くらしい。


「アイーシャ=フォン=モラレスです。皆さんと同じクラスになれたこと、とても嬉しく思います。これからよろしくお願いしますね」


 丁寧でおっとりした口調に、包容力のある胸元。

 同年齢でありながら、年上の女性のような雰囲気をかもし出す彼女は、モラレス家の令嬢だ。

 ちなみに妹が二人いるらしく、年下の面倒をみるのは得意だという。


「ラミリス=オルソンです。出身はこの国ではありませんので、いろいろと教えていただけると嬉しいです」


 長い耳が特徴的な彼女はエルフ族だ。

 出身はこの国よりずっと山奥にあるエルフの街で、魔術学校入学を期に引っ越してきた。

 現在は学校が運営する寮で一人暮らしをしている。


「最後は私ですね。初めまして皆さん、ユーリ=フローレスです。精霊魔術が使えますが、その代わり普通の魔術はちょっと苦手です。これから三年間よろしくお願いします」


 最後の一人が彼女、今年度入学者唯一の精霊使いだ。

 茶色い短髪に普通の体型。外見的には特徴の薄い彼女だが、大地と風の精霊と契約を結んでいる。

 ポテンシャルはクラス一かもしれない。


 これで計十二名。

 Aクラスの個性豊かな生徒達である。

 

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