5-133 ハルナとフウカ4











ハルナとフウカは、ラファエルが数日……最悪の場合、それよりもさらに時間がかかると思っていたところを、ほんの数時間で終了してしまった。

ハルナのことを知るラファエル、ガブリエル、モイスとシュナイドは驚くことはなかったが、それ以外の半分の大精霊と大竜神たちは何が起きたのかを理解し辛かった。



初めラファエルから提案されたことは元素の塊で攻撃をし、水と火、土と風を対として反対の属性で打ち返さなければそこで爆発させてしまうという方法だった。

それを時間が経つごとに数を増やしていき、さらには複数の属性を混ぜて行うことにもなった。

これは、ハルナたちには知らせていなかったが、この問題も全て解決させていった。




試練を進めていくうちに、一つずつ対応していった攻撃が二つになり、やがて四つにまで増えてくる。

その次の難易度が挙がると、攻撃の中に違う属性が混ざって攻撃をしてくる。

ハルナたちは初めは、属性の切り替えによってそれを全て防いできた。

だが、いよいよ個別の切り替えだけで対応しきれなくなったその時、フウカとハルナは別々な属性を使って防ぎ始めた。

その獲得したばかりの力を見せたハルナだったが、ラファエルたちの驚きはそんなにもなかった。




(……あれ?)



ハルナは少しがっかりしたような気分になり、そこに隙が生まれた。


「しまった!?」



ハルナは選ぶ属性を誤ってしまい、ダメージを受ける。



「だいじょぶ?ハル姉ちゃん!?」



「う……うん。平気……平気よ……気を付けて……まだ、来てる!」



そう言いつつも、ハルナは攻撃を喰らった衝撃でズキズキと身体が痛みが走る。

だが、ラファエルたちはそれを待ってはくれない。

立て続けに、攻撃を……しかも徐々に難易度をあげながら仕掛けてくる。


ハルナは痛みを堪えながら、ラファエルたちの試練に立ち向かう。

痛みのためか呼吸が浅くなり、ハルナの身体に取り込む元素の量が少なくなりハルナの力では防ぐことができなくなってきた。



(ダメ!このままじゃ……!?)


ハルナは必死に元素を取り込もうとして、呼吸を落ち着かせて深く吸い込もうとする。

しかし、それをラファエルたちはその手を休めることはしなかった……ハルナたちを更に追い込むかのように。



今までは対応する属性を間違えるだけで、遠くの場所で爆発するだけだったのでダメージは然程のものではなかった。

ハルナがダメージを負ってからは、その距離が短くなっていきハルナたちに影響を及ぼすほどのものになっていた。




その中で、次の変化を見せたのはフウカだった。


フウカはハルナのピンチに対し、何もできない自分を責め始めた。

そこで、フウカはあることを思い付いた。



”――もう一人仲間がいたら”



こうして、ここからこの状況が変わっていくことになる。








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