第31話 南国慰問旅行の事(2)
ぎゃおぉ~~ん、うぁおん!
突如、海から現れた怪獣がセラ湾から浮上し、村を踏み潰しながら上陸した。
口から吐く炎で村々を焼きた。
「きゃぁぁぁ~~~~!」
「智ぉ!」
「信長さま」
怪獣は逃げる智ちゃんを懐柔の長い手が掴んで口元にやる。
「我が家臣に何をする!」
信長ちゃんは颯爽と怪獣に向かってゆきます。
そして、聖剣エクスカリバーを持って跳躍し、青い光の帯が天空の伸びたと思うと、怪獣を一気に両断したのです。
ぎゃおぉ~~ん、うぁおん!
怪獣はそのまま倒れ、助かった智ちゃんは信長ちゃんの方へ駆けて出した。
「信長さま」
「智ぉ!」
そして、智ちゃんは信長ちゃんの腕の中に…………『カット!』?
「千代女ちゃん、勝手にカットしないでよ」
「この村人Aは私と交代!」
「いや、いや、いや、千代女ちゃんが村人Aだと、みんなが『えっ』と思うでしょう。千代女ちゃんは信長ちゃんより強いんだよ!」
「これは映画だから!」
「みんなが観る奴なのよ」
これは一般公開ではなく、お留守番組を喜ばす為のダイジェストムービーで『特撮編』です。
見るのは身内の人です。
(身内:那古野城、倉街、出島)
千代女ちゃんはヒロインだと、みんなが引くでしょう。
だって、那古野の四天王って呼ばれている千代女ちゃんですよ。
(那古野の四天王:宗厳様、慶次様、千代女ちゃん、可成)
本当は、千代女ちゃんの叔父さんの長重の方が強いけど、あくまで影に徹している人だからね。
「だって!」
「却下です。却下ですよ」
グァムの総面積549平方kmは淡路島と同じくらいで小さい。
ここに埠頭を作ると原住民に迷惑が掛かるので、淡路島のような形の1,000平方kmの島を作って連結させた。
スケールは望月島の10分の一だ。
中身は外周部が山であり、内部が水瓶になっています。
西側に埠頭を作り、居住する伊賀の100人の為に1万石相当(11平方km)の耕作を用意した。
中央部にはマカダミア、カカオ、コーヒーノキ、茶木、アセロラ、アボカド、グアバ、スターフルーツ、チェリモヤ、ゴリアン、パイナップル、パッションフルーツ、バナナ、パパイヤ、マンゴ等々の木々をあちら頂いで植えている。
(望月島にも植えています)
他にゴムの木も頂戴している。
根付いてくれるといいね!
これでは伊賀衆100人で管理できない。
けど、甲賀や伊賀から増員も難しい。
そこで杭州、マカオ、マラッカ、ゴアに寄港して、奴隷300人を仕入れたのだ。
使ったのは、1番ドックのガレオン船だ。
グァムは日本、中華、東アジア、アラブ人、黒人が混ざる国際色豊かな島になっている。
広東語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、ペルシア語、セム・ハム語、英語のアンチョコを片手にがんばって貰っている。
どうしてこんなに国際色が豊かになったと言うと…………だって、助けて光線を見てほっとけないでしょう!
千代女ちゃんに怒られました。
人種は2種類くらいにしなさいって!
伊賀のみなさん、ごめんなさい。
もちろん、奴隷300人は奴隷身分を解放して伊賀グァム領民にしているぞ。
因みに、西の埠頭以外は50mの断崖絶壁にしているから伊賀グァム領への侵入は難しい。
(外周山の高さは標高300~500m、内部の平地は海抜40m、耕作地は海抜20m)
船以外での交流はできない。
原住民に迷惑を掛けないぞぉ!
・
・
・
このカラクリ怪獣を葬ったラムラム山が聖地となった。
イタズラで風洞を作ったあれがいけなかったのかな?
怪獣を模ったような岩の空洞部で灯台のように反射する風鈴を眼帯部が吊るしておいた。
くるくる回って光の加減で目がぎょろっと動いたように見えるんだよ。
いつか怪物が目を覚ますかもしれない。
島の者は恐怖し、英雄を求めた。
島の人達は語る。
織田家の子孫を英雄の子孫とずっと伝え続けたらしい。
ヤマタノオロチ伝説か!?
◇◇◇
でっかいおもちゃ?
戦列艦の事だよ。
慶次様らを乗せて、佐治・飯母呂の精鋭80人の水夫が操舵を担当し、数日前から試験運用の最中だ。
今日も110門のアームストロング砲が火を拭いているハズだ。
ここから練習艦から戦列艦に乗り換えてシドニーに向かう。
火器テストは一昨日が初めてだ。
男のロマンが知らないけど、大砲と機関砲を撃ちまくっていた。
うるさいから沖でやれ!
怒鳴ってやった。
今晩は近くのマリアナ諸島を回って夜間操舵の訓練をしている。
荒波の中をよくやるわ!
大砲も撃っているだろうね!
訓練と言うより遊びだよ。
ホント、でっかいおもちゃだ。
で、暇な私達は怪獣ごっこをやっている。
夜間操舵なんて面白くないだろうから信長ちゃんだけ引っ張って連れて帰ってきた。
AIちゃんの録画機能を使って、特撮映画を作成していた訳だ。
・
・
・
随分と暇そうだって?
うん、暇だ。
信長ちゃん随行の家臣団と熱田と津島などの商人を乗せた練習船2番艦『大成丸』は、まだ太平洋の北を航行している。
ちんたら1週間も海の上に入れますかってのぉ~!
この『のぉ~』って、広島の方かな?
よく判らん。
たくさん付いてきたから転移が使えない。
2日ほど遅れたけど、明日の夕方には着くんじゃないかな?
様子を見に行ったら、まだ半分くらいは船酔いでダウンしていたよ。
いい加減に慣れなさい。
という訳、身内しか乗っていない1番艦『日本丸』は転移で、サクサクとグァムに先行して、のんびりすごしているよ。
信長ちゃん随行団って、何んですか?
我も我もと手を上げて、信長ちゃんの護衛衆が300人!
乗れるか!<怒>
練習艦の最大乗員数は無理をしても90名だよ。
食糧や水の加減もあるから乗員は40名と言ったのよ。
18家54人が選抜された。
付き添いの家臣は二人。
「私、40人って言ったわよね」
「これでも減らしたのです」
「海を舐め過ぎているわよ」
「「この通りでございます」」
林のおっさんが頭を下げ、平手のじいさんがごめんをする。
仕方ないと思ったけど?
林家の与力衆の南海代表に前田家の名前もあったけど、家臣の中に利家の名があった。
「前田家を外しなさい。でないと全員を連れて行かない」
「「なんですと!」」
何か困っていた!
結局、17家51人と熱田・津島衆を入れて61人だ。
練習船2番艦に詰め込んでやったよ。
ベッドのない奴は雑魚寝でいいよね。
で、その半分が船酔いでダウン中だ。
ずっと上がったり下がったりするエレベーターに乗っていると思えばいいんだよ。
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