第34話

 わたしは朝食の終わりに紅茶を飲んでいた。 軽くレモン汁を落としたものである。 ダイエットの為に砂糖無しなので夏に頼んだのである。 レモンティーの新鮮さは初めての経験であった。


 さて、今日は追試である。 面倒くさいが高校に登校である。 寝ぐせの付いた髪をとかして朝の支度をする。 ふと、留年でもいいかなと思うが、そこは最低限の事である。 わたしは夏を呼び、進路の相談をする。 遠い外国の両親より近くの夏だ。 夏は大学に行きなさいとすっぱり言うのである。 大学か……月之宮家の人間としては仕方がないか。 わたしは一日中お菓子を作って暮らしたいと思うが。 ま、理想は理想である。


 大学に行って文学の研究者にでもなろう。 おっと、今日は追試であった。 仕方なく家を出る。 歩く途中でわたしは日傘をさす。 ブレザーの制服姿に薄藍色の日傘は目立つのであった。 わたしは彼にメッセージを送る事にした。 バスに乗ると携帯を開き文面を考える。 午前中は授業がなくサッカー部で練習らしい。 今度、サッカー部に三軍ができるらしい。 彼は三軍でキャプテンになると自慢をしていた。 そう、三軍である。 調子に乗っている彼に送るメッセージ文面は突き落とす事にした。 簡単に言えば三軍と言う現実を知らしめるだけである。 さて、バスが高校近くに着いたので降りて再び歩き出す。薄藍色の日傘をさして住宅街を歩いていると高校の校舎が見えてくる。 裏門から中に入ると職員室に向かい担任を探す。 テストは空き教室でおこなわれるらしい。


 空き教室は日当たりがよく。中は暑い。わたしは直ぐに窓を開ける。 追試を受ける人達はお友達になりたくない雰囲気であった。 そう、劣等生の集まりである。

 

 追試が始まるとわたしは気合いを入れるがテストは簡単な問題であった。

これなら追試の合格はできるであろう。

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