第33話

 ある日、起きると昼過ぎであった。今日はテストであった庶民の高校での順位などどうでもよかったが追試確定だ。わたしは眠い目をこすりベッドからはい出す。

夏に頼んでご飯を用意してもらう。サラダとハムエッグだけだ。わたしは空いたお腹にガツガツと食べる。お腹がいっぱいになる頃には眠気に襲われて二度寝する。

気がつくと夕方であった。テストにも出ずに夕方まで寝ている。なんの問題もない。わたしはシャワーを浴びると読みかけの小説を開く。そう、暇である。しかし、暇だからと言って夕方まで寝ているものではないな。普通に体調が悪い。体調が悪いから寝すぎたのかもしれない。そう、お屋敷にプールがあれば浮かんでいたい気分だ。あいにく、そこまでリッチではない。わたしはリビングのソファーに座り。どうしたものかと考える。読書を止めてアロマにするか、迷うのであった。


 しかし、アロマは最近していないのでほこりだらけだ。仕方がない、携帯の画像整理をする事にした。夏に、作ったお菓子、季節の花、凛々しい姉の画像もある。こうして見てみると夏の画像が多い。きっと、夏もまたわたしの事を見ている証拠だ。わたしは夏を呼び『三日月の魔女』は姉とわたしのどちらが合っているか聞く。そう、まだこだわっていたのだ。


「恋菜様には愛菜様にない闇があります『三日月の魔女』は恋菜様の方が合っているかと」


 闇か……姉と彼を殺そうとした事が一番分かりやすい。追憶の殺意など遠の昔に無くなっている。そう、今あるのは自身の死のみ……。わたしは夏に紅茶を頼み画像整理を終える。少し苦い紅茶は夏の気持ちの様な気がしていた。

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