第15話
わたしは朝、紅の髪を梳かしていた。ゴムでまとめると朝の支度が終了である。いつもより、五分早く部屋を出ると。玄関で姉とはちあわせする。姉の愛菜は紅色の髪をわたしと同じ程度に伸ばしているがウェブをかけていた。わたしが立ち止まると、姉はわたしの髪に触り。
「傷んでいるわ、キューティクルが可哀そう。わたしの使っているコンディショナーをあげるわ」
わたしは姉のそういうところが嫌いであった。姉は支配的で自分が一番正しいと考えるからである。
「夏に頼んで買ってきてもらうわ」
「そうね、夏の髪の毛も綺麗だから大丈夫ね」
姉は革靴を履くと先に玄関を出る。風も無いのに髪はなびいていた。わたしは姉がいなくなるまで待ち。五分ほど遅れて家を出た。それから、歩く途中で夏の携帯にメッセージを送る。
『トリートメントでもコンディショナーでもなんでもいいからわたしの髪に合うのを買って来て』と入れた。
しばらくすると『分かりました』と返ってくる。高校に着くとわたしは試しに髪のゴムを取ってみる。教室に入ると彼が寄ってきた。ウザイ。目で追い返すとわたしは椅子に座る。わたしは簡単な数学の問題を復習していた。何故、こないだのテストの成績が悪かったのであろう?わたしはブツブツ言いながら勉強するのであった姉ならきっと彼に教えて貰う選択をするだろう。わたしは喉の奥から雌猫の様な声で彼を呼んでみた。彼が近づいてくるとドキドキする。意味不明の感情であった。結局、反対に彼には数学の勉強を教える事になった。つまらない毎日だと心の底から思うのであった。
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