階滅編
第一話 決戦の日は近い
フェアリア・マテリアル盟階軍はマテリアルの領地である魔階アリカスに急いで合流しようとする。
だが、到着するまでは少なくとも2日はかかる距離であり、着いたとしても兵士の疲労が溜まっておりとても戦える状態ではない。
そのため時々の休憩を入れ、移動するため3日はかかるという。
その頃、魔階アリカスでは……
「前線を上げろ!!インフェルスが来たら黒階以上の者は近接攻撃、その他の者は遠距離攻撃に集中しろ!」
「アダムが張り切って声出してるなぁ、まぁそろそろ私も行こうかな!」
「行く気ねぇーだろ……」
「やっぱりザァークはなんでもお見通しだねぇー!」
「黙れ……マルメーネ行くぞ」
「はいはーい!」
この2人は確か以前にも登場したがマテリアルの魔階のマルメーネとザァークである。
そしてこの2人は最前線、つまりインフェルスの領地である天階トルトスまで行き、敵の天階と光階を抑えようとしているのである。
「かなり最前線まで来たが雑魚しか周りには見えねぇーぞ」
「確かにそうだね、あっあそこに1人いるよ。多分天階だね……どうする?」
「行かない方がいいかもな。敵の待ち伏せかもしれん」
「テリアルとアルナはまだ来ないのか……あの2人がいたら戦況は変わるのになー」
「いない奴の話をしても無意味だぞ。マルメーネは黒階2人を連れてインフェルスのさらに奥の光階カイルドと光階スイルを占領してきてくれ」
「ザァークはどうすんの??」
「俺はシエルと他数百の兵士を連れてこの天階トルトスを占領する」
「まぁザァークの事だからなんとかなるか!ここは任せたよ、じゃ行ってくる」
ザァークと黒階のシエルは天階トルトスの占領を目標に攻撃を始め、マルメーネと黒階のステラと同じく黒階のアイリスを連れ光階カイルド・スイルへ移動する。
「シエル行くぞ、お前は雑魚兵士共を抑えておけ」
「了解しました、あの天階野郎は任せましたよ」
「任せておけ」
シエルに任せられたザァークは敵の指揮を取っているインフェルスの幹部らしき男に攻撃を仕掛ける。
「
この技はザァーク特有の疑であり、敵の周りを闇で包み込み上空から敵と闇を切り裂く技である。
だが敵はその攻撃を知っていたかのようにかましたのである。
ザァークは驚き、再び通常攻撃を何度も連撃するが何回攻撃しても敵に当たる気配はない。
「お前……何者だ……王階じゃあるまいしお前はこの世界の者か??」
「貴様はザァークと言ったな……俺は神階のミルフィスだ。この度、俺はインフェルスの味方につく事に決めた」
「神階だと……なぜそんなやつがこの世界にいる?」
この世界に生まれてきた者は、神階は神と同じ存在であり数人しかいないと思われているため神階の言う事は絶対と言う意識があるのだ。
「貴様は、私に逆らう気なのか?私は神階だぞ?」
「くっ……どうすれば……」
「貴様はここで死ね。これは神階である私の命令である」
「なっなんだと?そんな事が出来るわけないだろう!いくら神階であろうとそんな事をいう神階は死んだ方がいい!」
「逆らう奴は嫌いだな……」
「ぶっ潰してやる!!」
ザァークはありったけの力を振り絞って、神階であるミルフィスに速攻技を仕掛ける。
だが、
「哀れな奴よ……
ミルフィスが専用の武器、
それによりザァークは地割れが起こる中、浮遊魔法を使おうとするが何故か浮遊魔法が使えずに地割れの中に落ちていったのである。
「我に逆らうとは……哀れよ……実に哀れよ」
この光景を遠くで戦いながら見ていた黒階のシエルは怒りが抑えきれずにミルフィスに攻撃を仕掛ける。
「貴様!!!よくも、ザァーク様を!!!絶対に許さん!」
「許してもらう気はない、お前が謝れ」
「なんだと……」
シエルはミルフィスの剣技を乱そうと、周囲を猿のように飛び回る。
シエルはミルフィスが1歩も動かずに剣もしまっている為、確実に勝てると確信し飛び回っている間に瞬時に足を切り替え、ミルフィスの方に速攻をかける。
その攻撃は見事ミルフィスに当たるが
「なんだ、その攻撃は?」
「きっ効いてないだと……嘘だ……この攻撃は避けれないはずなのに……」
「この世界と神階の動きの速さはレベルが違うんだよ……」
「そんなの嘘だ!!」
シエルはもう一度、ミルフィスの周りを飛び回る、しかも先程よりだいぶ早く飛び回る。
だが、ミルフィスにはシエルの動きが読めているか分からないが、ミルフィスはシエルに向かってでは無く、ミルフィスの周囲に向かって攻撃を出す。
「私に逆らう者がもう2名いるのだな……中々勇ましい世界よ。
ミルフィスの周りに赤い炎を巻き散らせ、巻散らせた一つ一つの炎は次第にでかくなり、炎の竜巻がいくつもでき、シエルの方へ向かう炎の竜巻や味方兵士や敵兵士などにも向かう炎の竜巻である。
シエルは何度も炎の竜巻を避けるが次第に避けれなくなってしまい、炎が自分の体を覆い尽くす。
「こんな終わりなんて……いや、だ……」
シエルは長く喋る事も出来ないまま、ほぼ瞬殺されたのである。
「我に逆らう者は許さぬ。我は神階の第五使徒のミルフィスであるからな」
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