第九話 新しい時代の幕開け


「さぁ!試合のスタートです!」


アナウンサーの合図により試合が始まる。






黒崎劍戦



「いくぞ、炎威えんい 火速かそく


劍の最初の攻撃が繰り出される。


「その技中々つばしっこいわね!」


近藤花は軽々とその技を避け、劍の後ろに着地し、攻撃を繰り出す。


「そんな時もあろうかと、炎舞えんぶ 陽炎ようえん


その攻撃を劍が吹き飛ばす。


炎撃えんげき 八連撃はちれんげき!」


更に多くなった連撃技で近藤花を追い詰めようとするが、

「獅羅雲学園の序列二位はその程度かしら?奇樹木リーフィス樹華きばな


奇樹木リーフィスは近藤花の武器であり、樹華きばなは、敵を下から生えてくる木で叩き落とすと言う技である。


それにより劍は叩き落とされる。


「くっ、げほっ……」


威力が強すぎ、倒れた劍は血を吐く。


観客席の人達は驚き、特に獅羅雲学園の生徒達は「もう負けるのかよ、」や「あいつ死ぬぞ、」と言った声が少し聞こえる。



このままじゃ舞に心配かけるよな。

気合い入ってきたぜ。


「何よそ見してんのよ!樹影じゅえい


樹影じゅえいの技は木を多く生産し、自分がどこにいるか分からなくする。


樹冠じゅかん!」


樹冠じゅかんの技は自分の武器から無数の木が生産され、敵のを縛り付け、失神させるほどの硬い木で殴られる技。


それにより、木の影に隠れて、一気に樹冠で攻撃しようとする。


だが、

革炎かくえん 煌焔おうこう


なんと劍は近藤花の技により縛られていたが革炎煌焔かくえん おうこうの技により、縛りつけられていた木が燃え、そこからほかの木にも燃え移り、全ての木を一瞬で焼き尽くしたのである。


「さぁここからが勝負だぁぁぁぁぁ!」

と大声で叫ぶ。


進炎しんえんスペクトル!」


「なんなのその技、あなた燃えてるわよ……」


そう近藤花が言う通り、劍は訓練中に新たな技を身につけた。その一つが進炎しんえんスペクトルである。


この技は身体能力を三倍にさせ、今までどうしても出来なかった技を五つ解放することができる(煌陽剣のみ)。

そして体中が燃え木の属性の剣ではほぼ勝率が100と言う訓練中の結果である。


「いくぞ!」


「劍君の本当の力を味わいなさい!」

と、舞の応援が、人一倍何故か聞こえる。


凛炎りんえん 迦楼羅円かるらえん!」


凛炎迦楼羅円りんえん かるらえんの技は、周りに炎を燃え上がらせて、敵の移動距離を半減し、その円の中に劍が入る事により、炎を自由に操ることができる。


「なんだ、この炎の円は……早く出ないと、あちっ!で、でれない……」


煌陽剣リターソウル伸びろ!振り落とせ」


煌陽剣が自動で動いてくれる為、指示するだけで攻撃してくれる。


そして、

「なんだよ、その剣、伸びるとか聞いてないわよ!落ちてくる……や、いやぁぁぁ。」

と攻撃をくらい倒れる。





アナウンス席


「おぉぉっと!ついに決まった!勝者!黒崎劍だ!いやー最初危ないと思ったけどなー!」


「確かに!不利かと思ったけど全然逆だったのに、びっくり!」


そう言うアナウンサー達、そして盛大に拍手される俺。


生徒達は、「なんだよー!」や「楽勝じゃん!」などすぐに俺を褒めたたえた。


「劍君!かっこよかったよ!おめでとう!」

と舞が言い、「ありがとな」と劍が返す。

その間を空けずに羽波も、

「まぁまずまずと言ったところね。次も頑張りなさいよ」と言う。


「はいはい笑」




そうして俺の一回戦は勝利で幕を閉じた。








フリッツリーシャ戦

「いくよ」


「来なさい」

と言いフリッツリーシャが先に攻撃を行う。


弱雷じゃくらい 裂雷さくのいかづち


説明しよう!


フリッツリーシャが使う、武器は雷麒麟デキリと言う。

今の技は、弱い雷と言う意味で弱雷、裂雷さくのいかづちは左斜め、右斜め、そして斜め上、斜め下と言った四つの方式で瞬時に攻撃ができる。(左上斜め、左下斜め、右上斜め、右下斜め)


「余裕な顔みせやがって……」


避けるに精一杯な波次知恵は、リーシャの平然とした顔にムカつきを感じる。

リーシャは昔ある事件により、試合になると別人になる傾向がある。


「その程度ですか?こちらは力をほぼ出していませんよ?弱雷じゃくらい 鳴雷なるのいかづち


この技は、空中に飛び上からたたき落とすという技。


リーシャが飛び上から雷麒麟を振り下ろそうとすると、

「あなたは強い……でも冷徹な強さは私は強さと言わない」


「この攻撃を正面から耐えるんだ」


「無視もするね……中々卑劣ね」


といい一旦、リーシャから距離をとる。


「これは試合だ。話す暇あるなら、戦え、弱雷じゃくらい 速雷そくらい


リーシャの見えないほどのスピードで波次知恵の正面に来る。


そして、リーシャの弱雷速雷じゃくらい そくらいにより、波次知恵は吹き飛ばされる。


「げほっ、ちっ……体が麻痺してる?」


「戦えないものに剣は必要ない、喰らえ、強雷ストルボルト 靁鎚神ゴットボルト


とリーシャが技を唱え、上に剣をかざすと、波次知恵の上に大きな雲ができ始める。


動けない波次知恵はじっとそれを見ている。

「……」


「まけるのか……いや……だ」


「さぁ……終わりだ。」


フィールド全体の半分が雲におおわれて、波次知恵の所だけ、大きな穴が空く。

そこから一瞬で雷が降ってくる。

しかも一発だけでなく、何発も……

それにより、波次知恵は気絶。


「こんなリーシャさん見た事ない」

と怖がる羽波。


「彼女は、昔酷い目にあったからね。卑劣になってしまう自分を、変えたいと願ってるけどなかなか出来ないらしいのよね」

と弁解しようとする、明音会長。


「リーシャさん……」


そう言っているうちに、アナウンサーも試合が終わり、アナウンスを始める。


「おぉっと!今年もフリッツリーシャ選手の猛攻撃が止まらない!」


「中々見所がありましたね!」


「確かにそうですねー!という事で一回戦はフリッツリーシャ選手の勝利です!」



「あっ、意識が……またあの自分か……いつか治さないと、でもそのためには今回絶対に優勝しないと」



そして劍とリーシャの一回戦は二人とも勝利で膜を閉じる。





「さぁ!続いては!」

とアナウンサーが再び喋り始める。


次は獅羅雲学園の生徒もでる。

しっかり応援はするが今はその次の試合を控えている。

舞と羽波に逢いに行こう。






舞の控え室


劍がドアをノックする。

「舞、劍だ、入ってもいいか?」


「いいよ!」


「緊張するか?」


「当たり前だよ笑 緊張しすぎて吐きそう。」


「まじかよ笑 まぁ初めての大会だしな。

俺も緊張やばかったよ笑」


「初戦敗退は嫌だし、強くなった所、劍君にも見せてあげないといけないから、勝ってくるよ!」


「あぁ!頑張れよ!」


「任せて!」


と言い、もう一度ノックの音がし、迎え入れると、大人のスタッフが「そろそろ試合なので来てください」と言われて、手を振って舞の控え室から二人ともでる。


次の試合は舞と羽波がでる。



二人とも勝ってくれよ。




《あとがき》

えぇーと、かなーり長くなってすいません!

次の話も少しというかだいぶ長くなるかもしれませんが、暖かい目で見守ってください。紅炎王座編はもうすぐ終わります。

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