第1132話 お昼を食べてから読むとしよう。的なお話
「とりあえずこの後だけど、図書館に行こうかなって思うんだけど、どうかな?」
「えー! 娯楽施設はー?」
「賭場は却下。入り浸っているなんて噂になったら印象最悪じゃないか。無しだ無し。」
「入り浸る程の期間はないが……まあ、注意するに越した事はないな。」
「じゃあ他のは? なんかこう、テーマパークとはいかないまでも色々と遊べる所とか無いの?」
「流石にそこまでは分からないぞ? そうほいほいで歩ける立場ではないのでな。お国柄、そして家格がそこまで高いわけではないからいつも護衛が側になんて事はないが、だからといってそういう場所に気軽に行けるわけがないだろう。」
「コハルさんは?」
「そうだ! コハルさんなら知ってるかも!」
「え、えっと、私はスオウから出た事は殆どないので……すみません。」
「というわけだ。とりあえず今日は図書館で我慢しとけ。」
「……はーい。」
そして図書館に向かうが、何故か図書館にまでスズランさんがついて来てます。
今日は図書館に行くだけのつもりだからついて来たって何も起こらないと思うんだけどなぁ。
というか、いい加減書くのをやめて欲しい。
「この図書館はヤマトで発行された書物を可能な限り収蔵している国1番の図書館だ。中には禁書なんかもあるので全ての本の持ち出しが禁止されているので注意してくれ。」
「借りる事も出来ないって事か?」
「その通りだ。ああ、国外で発行された書物も一部収蔵されていてな、そちらは貸し出ししてるぞ。」
「そうなんだ。」
国外って事はもしかしたら西方大陸以外の本もあったりするって事?
それはちょっと読んでみたいかも。
まあ、今日の目的は封竜祭に関する資料だけど。
国外の本はまた時間があった時にでも探しに来よう。
「えーと、英雄演舞に関する本は……。」
なかなか見つからないな。
ちょっと視点を変えて伝記なんかの方を探してみようかな?
英雄演舞も元々は国の一大事に活躍した異国の英雄の話らしいし。
そうして探していくが、やはり国が違えば勝手も違う。
中々目当ての本を見つける事が出来ず、結局ユキノに頼って本を探してもらった。
本のタイトルは『封竜秘伝』。
他にも『黒髪の英雄伝』とか『救国の黒き剣豪』、『竜と英雄の物語』と、色々な本があるみたい。
最後のは絵本のようで、挿絵とかが沢山ある。
まずはこれから読んでみるか。
『むかしむかし、ヤマトの国にとある1人の若者がやって来ました。
その若者は艶のある綺麗な黒髪に宝石のような綺麗な黒い眼を持つ若い男の人でした。
彼は2人の従者と共にやって来ました。
彼はヤマトの美味しいご飯を大変気に入り、しばらくの間ヤマトの国に住む事を決めました。
それからしばらく経ったある日、ヤマトの国に大いなる災いが訪れました。
黄金色の鱗を持つ大きな竜が暴れたのです。
若い男は2人の従者とヤマトの巫女と共に竜へと挑みました。
何度も挫けそうになりながらも果敢に戦い、そして遂に竜を封印する事が出来ました。
若い男とその従者、そして巫女のお陰でまたヤマトに平和が訪れたのでした。
めでたしめでたし。』
うーん。
ざっくりしすぎてるなぁ。
まあ、所詮は絵本だししょうがないか。
以前聞いた大まかな内容と変わりなく新しい情報がない。
まさか名前まで無いとは思わなかったが……。
だけど、その辺も含めて他の本に色々書いてあるだろう。
探すのに時間を掛けたせいか絵本を読んだだけだけどお昼時となってしまったか。
腹が減っては何とやら。
戦に出るわけじゃないが、残りの本はお昼を食べてから読むとしよう。
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