第1097話 さっさと寝よう、そうしよう。的なお話
「あらぁ〜? 一体何が結構なのかしらぁ〜?」
断った途端女中さんの後ろから何やら煌びやかで艶やかな服に身を包んだ美人さんが現れる。
多分流れ的にこの人が件の花魁さんなんだろう。
「あなたが、ですよ。自分は人様の家でそのような事をするつもりはありませんので。」
「ふぅ〜ん。な、ら、人の家じゃなきゃいいのよね? それだったらおすすめの宿があるんだけど、そこでどうかしらぁ?」
「いえ、自分は今護衛依頼の真っ最中ですから、そういう事はしないようにしてるんですよ。それに、そういうのは既に十分間に合ってるんで。なのであなたの出番はありませんよ。」
「そう言われると、余計に相手をしたくなるわね……私にも誇りというものがあるしね。どの子の事を指してるのかは分からないけれど、私の方が満足させてあげられるわよ? それでもいいのかしら? それに、今日は特別だけど、今日以外だとか〜な〜り、お金が掛かるのだけど、本当にいいのかしら?」
「えぇ、問題な「ちょっと聞き捨てならないね。」……問題ないですので、帰っ「ん。あなた1人に負けるとは思えない。」……ちょっとすいません。」
「え、えぇ……構いませんわ。」
なんか知らないけど、セフィア達が怒ってる。
いやなんで?
どこに怒る要素あったの?
というか負けるって何に?
「今断ってるんだから静かにしててくれない? というか、負けるって何に?」
「あの人は僕達を舐めてる。それに何より、レントの事を甘く見てる。だから現実を分らせてあげないと気が済まないんだよ。」
「ん。」
「いや、そういうのはいいから……普通に帰ってもらえればそれでいいから……。」
あんまり事を荒立てたくないんだよ……。
ここで断ったらフミカゲ様の顔に泥を塗るような気がしないでもないけど、それはそれ、これはこれなんで。
嫁さん達以外とそういう事するつもりないんで。
「まあ、黙って見ててよ。」
「ん。」
俺の話を聞きやしない。
え、そんなにプライドとか傷つけるような話だったっけ?
というか、他人に言われたからって怒るような事なのか?
「確かに僕達は経験人数自体はレンとしか居ないよ。でも、回数だけならあなたにだって負けてないよ。大体、レントは6人がかりで相手してそのまま朝までいけるほどなんだよ? それを、あなた1人が相手をするって? それで本当に満足させられると?」
「え、6人……朝まで……? そ、それは、本当なの?」
「もちろん。」
「そ、そう……流石に明日も仕事があるから朝まではちょっと……あの、生意気言ってすみませんでした。街1番の花魁って言われて調子乗ってました……。なので、一晩中は勘弁してください。」
なんで俺が断られたみたいな流れになってるの?
最初に断ったの俺だよね?
「ひ、一晩中……。」
女中さんは女中さんで顔赤くしないで。
恥ずかしくなるから。
「あの、この流れで言うのもなんですが、実は女性の方達の為に一応男娼の人達も呼んでいるのですけど、どうしますか?」
「これ以上ややこしくしないで……。」
「ですよね……。ですが、あの……。」
「ん?」
女中さん指差してます。
その先にはシアが、ルナが、ルリエが、アカネが、スズランさんが、ユキノが、蒼井が、レイダさんが何人かの男に囲まれて誘われていた。
「っておーい! 何してくれてんだてめーら!」
花魁さんと男娼共を言葉と力技で追い出し、ついでに女中さんにもなんとか帰ってもらったが、つ、疲れた……。
色々あったし今日はもう寝る。
あ、そういえば、蒼井の相手まで追い出しちゃったけど、悪いことしたかも?
でもなんかもやっとしたんだよな。
なんでだ?
ま、いいや。
明日もまた移動するんだ。
そんなこと考えるよりもさっさと寝よう、そうしよう。
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