第976話 嫁達は俺が守る! 的なお話
話がまとまった所で少し時間が経ってしまったということもあり、早速夕食の準備。
その間に俺はテントの設営やらなんやらをしていく。
もうこの作業も手慣れたもんで、あっという間にテントの完成。
後は本でも……と思った所でセフィアがやって来た。
なんだろう?
何か足りないものでもあったかな?
「どうした? 何か必要なものでもあるの?」
「そういうわけじゃないんだけど、あの人達が代金を払うから是非料理を食べさせてくれって言って来たんだけど……どうしよう?」
「どうって言われてもなぁ……そもそもあの人達も自分の食料くらい持ってるんだろ?」
「そうなんだけど、軽くて保存の効く物しか持ってないなかで凄くいい匂いに我慢できないって……。」
「あー、飯テロしちゃったわけか。」
「めしてろ?」
「えーと、なんで言えばいいかなぁ……良い匂いをさせたり美味しそうに食べたりして必要以上に誰かの食欲を煽る事……かなぁ?」
改めて言語化しようとすると結構難しいね。
こういうの結構あるのかも。
日本じゃ当たり前だけど、新しくできた言葉とかネットスラングみたいなのが元で異世界言語適応に対応してないのがさ。
まだ言語として認められてないのかもな。
「じゃあ僕達のせい?」
「せいっていうか、こればっかりはどうしようもないだろ? 元々一緒に野営する予定があったわけじゃないし、向こうに気遣ってこっちの食事を貧相にするのも違うだろ。まあ、作るのはセフィア達だから食べさせるかどうかは好きに決めて良いよ。値段も自由に決めていいからさ。」
「自由にって言われてもなぁ……逆に困るかな。」
そう言いながらセフィアはみんなの所に戻った。
どうやら調理組でどうするか話し合うみたいだ。
いくらにしたのかは分からないけど、結局彼らの分も作ることにしたようで、追加の材料を求めて来たのでそれに応じた。
そしてついでとばかりになんか一緒に食事してます。
やはり警戒は必要か……。
鳴子を用意したほうがいいかな?
でもそうなるとテントの出入りのたびに音が鳴りそうだし……とりあえず、夜の見張りは外だけじゃなく隣にも注意しよう。
「かー、うっめぇ! こんなの久しぶりに食ったわ!」
「ああ、いいなぁ……俺もこんな料理の上手い彼女欲しいなぁ……。」
「頭下げて頼んで良かったなこりゃ。」
「所で皆さんは何を運んでいるんですか?」
「ん? ああ、俺達はそれぞれ別のものを運んでいるんだ。俺達が勤めてる所は主に運送で利益を上げている所なんだが、運び人毎にそれぞれ専属で運送する店とかがあるんだ。で、それぞれの店が近かったりする連中で一緒に移動するんだよ。」
「1人よりも2人。2人よりも3人って感じで人数が多い方が安全だからな。」
「1人で野営とか怖すぎるからなぁ……。魔道具なりスキルなりがあれば違うのかもしれんが、俺達は平凡な元Dランク冒険者だからな。そんなのは持ってないから数で対応するしかない。」
「馬車じゃないのはなんでですか?」
「そりゃ時間がかかるからだよ。馬車に荷物積んで馬に引かせたらスピードなんか出るはずもない。だけど、馬と人だけなら? 当然そっちの方が速いに決まってる。そんなわけで馬車は使ってないんだ。」
「俺達がこの職を勤められてるのもアイテムボックス持ちだったからだしな。運人になるにはアイテムボックス持ちなのが条件だったし。」
「アイテムバッグは高いから経費にするのも厳しいんだとよ。全く世知辛いねぇ。本当、アイテムボックス持ってたことに感謝だぜ。」
なるほどなぁ。
そんな理由で複数で移動してたのか。
まあ、言われてみれば納得の理由だな。
だからといって警戒の目は緩めないけど。
男なんて基本狼だ。
嫁達は俺が守る!
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