第921話 これって夢じゃないですよね? 的なお話

あ〜た〜らしい〜朝が来た♪

出発のあ〜さ〜♪

とまあ、そんなわけで朝です。

今日出発すると言ったのにそんな事関係ないとばかり襲われたりしたが、まあ、無事に起きれた。

一応出発時間とかを気にしてなのか、早めに襲ってくれた(?)お陰で時間的余裕がある。

セフィア達を起こし、朝食の準備と惨状の片付けをお願いする。

俺はセフィアの隣でオムレツリベンジ。

結果はスクランブルエッグ9のオムレツ1となった。

一個だけ出来ても扱いに困るな……。


とりあえず出来た卵料理は全部小皿に移し替えてテーブルに並べ、それぞれ好きなのを持っていってもらう事にする。

俺が食えば自分だけ良いのを選んだように思われるし、誰か1人にあげても贔屓しているようにしか見えない。

だから好きなのを持っていってもらう事にした。


そしたら蒼井がオムレツを持っていった。

うん。

そんな気はしてた。


そういえば、嫁達と一緒に料理がしたいっていう夢は一応ちゃんと叶った事になるのかも。

簡単な物とはいえ、ちゃんとした料理なんだから。

どっかの料理漫画か何かでオムレツは卵料理の基本だからこそ、料理人の腕が出るとかなんとか……まあ、要するに基本にして究極、それがオムレツって事かな?

究極は言い過ぎか。


朝食を終えたら家の掃除。

立つ鳥跡を濁さず。

わずか2日しか泊まってないけどしっかりと掃除しておこう。

アメリタ義母さんが管理してくれるとは言っても、任せっきりというのは良くない。

あくまでも、ここは俺達の家なのだから。

あ、違った。

今はリィナさんの家だった。


「それじゃ、忘れ物はないな?」

「大丈夫だよ。」

「こっちも大丈夫よ。全部アイテムバッグに入れたわ。」

「こっちもアイテムボックスに入れたわよ。それにいざとなったらリリンにゲートを開いて貰えば良いじゃない。」

「それはそれ、これはこれだ。戻ればいいとしても、忘れないようにする事が大事なんだよ。」


それに、無いとは思うけど知らない人にリリンの転移魔法を見られる可能性がある以上はあまり多用すべきじゃない。

レベル上げしにくくて申し訳ないけど、国やら貴族やらにリリンをいいように使われるわけには行かないからな。


忘れ物はもちろん、戸締りも最後にもう1度確認してから家を出る。

すると玄関先にはセラさんが立っていた。

何かあったのだろうか?


「何かあったんですか?」

「いえ、リィナから今日の9時に出立すると聞きましたので、そのお見送りに。」

「あ、そうなんですか。わざわざすみません。ところで、そのリィナさんは?」

「彼女なら私の部屋で二日酔いでダウンしてます。」

「あ、そうなんですか……。」


なんじゃそら……。


「なので、その分も私がお見送りさせていただきます。」

「あ、ありがとうございます。」

「それで、次はいつ頃帰ってくるのですか?」

「え? うーん、いつになるんだろう? どのくらいかは分かりませんけど、この後はリステルへ行って、そこから更に東へ行きヤマトで封竜祭に参加します。その後リステルに帰る予定です。迷宮自体もそれほど攻略出来てないので、半年は確実に超えますかね。」

「そう……ですか。」


実際問題、どのくらい向こうにいるのか未定なんだよな。

移動にかかる時間がもう少し短ければこまめに帰ろうって気にもなるけど、流石に半月はね……。


「あ! そういえば、レントさんに渡すものがあったんでした。」

「渡す物ですか?」

「はい。」


何か渡してくれるのだろうと、近づいてくるセラさんを見ていたら突然口を塞がれた。

セラさんの唇によって。


「!?!?!?」


何?

なんで!?

どういう事!?

What's happened?


「ちゃんと帰ってきてくださいね。」

「え、あ、はい……。」


えーと、これって夢じゃないですよね?

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