第851話 警戒は必要だ。的なお話

ダンジョンを進んでいくとモンスターハウスと遭遇した。

モンスターハウス自体はまだ問題になるほどじゃないが、問題なのはここが14階層だということ。

モンスターハウスに罠が仕掛けられている可能性がある。

罠とモンスターハウスの組み合わせは1度経験しておきたいと思いはするが、ユーリ達もいるしナタリアさん達天装もいる。

自分達のみならともかく他のクランやパーティを危険に晒すというのどうかと思う。

前に入ったのは相手が雑魚のみで罠もないという危険性が少ない状態だったからに他ならないし。


「あら、今回は挑もうとは言わないのですね。」

「罠も仕掛けられているかもしれないのに、わざわざ危険な所に行く必要ないでしょ。」

「……以前挑んでいましたわよね?」

「あの程度は危険でもなんでもないでしょ。」

「それ、他の冒険者がいる所では言わないように。勘違いする者が出ないとも限りませんので。」


流石に俺も場所を選んで発言するよ。

あくまでも、俺達にとっては危険でもないって話だし。


「まあ、そんなわけなんで、今回はスルーしますよ。」

「えー!」

「蒼井……危険だって言ったよな?」

「でもどうせ出てくるのはDランクかそこらでしょ?」

「群れれば危険性が上がる。俺達だけならともかく、ナタリアさん達だっているし、何よりユーリ達もいるんだ。レヴィとイリスさんはまだDランクなんだ。2人を危険な目に合わせるわけにはいかない。もちろん、いつまでもモンスターハウスに挑まないってことはないだろうけど、でも今挑む必要はないだろ?」

「レントさん……。」

「あの、私は?」


だってユーリはCランクじゃないか。


「まあ、しょうがないか。」


理解してくれたようだ。

モンスターハウスにする罠に引っかかったならともかく外から分かるモンスターハウスには挑まないよ。

罠があったらマジで危ないし。


そして更に進んでいくと15階層への階段が見つかる。

そこで大休止。

またもやポ◯リ擬きを所望されるが、これは予想できていた。

なのでそこまで精神的疲労はない。

覚悟出来てたからね……ふふふ。


15階層へ到達。

ここのボスはどんなのなんだろうか?

流石にボスだしCランクはあるよね?

これまでのボスは2体とも弱過ぎて全然ボス戦感が無くてもの足りてない。

だから頼むぜ。

少しはマシな相手であってくれ。


「時間的に考えてこの階層のセーフティーエリアで今日は野営ですかね?」

「そうなりそうですね。でも、時間的に余裕があればボス戦まで行こう。」

「これまで探索をしてきているのですし、今日は休んだ方が良くないですか?」

「いや、今日は午後からだし、移動した距離も少ないから出来るだけ先に行っておきたい。」

「時間はまだあるのですからそんなに効率ばかり求めなくても良いのではなくて?」

「そうだとは思うんですけど、なんか、これまでと比べて移動距離が減るのがもったいない気がして……。」


陣形での場所がすぐ近くという事もあって話す相手は基本的にナタリアさんばかり。

イリスさんとも話したりするけど、お互いパーティリーダーとクランリーダーだからか良く話す。

予定とか方針とかそういうのを話したりするのだけど、なんか、ダンジョンに潜りだしてから恋人達とコミュニケーションがあまり取れてない気がする。

それは仕方がない事だとは思うけど、なんか寂しい。

ボス戦をするかどうかはともかく、とりあえず今日の野営する時には少しコミュニケーションを増やそう。


そう決意してからは探索に集中して進んでいく。

魔物とも遭遇するがDランクの魔物ばかりなので大した手間でもなくあっさりと処理されていく。

そういえば、いつの間にか魔物のランクがDランクになっているな。

となると、ここら辺から狩場にしている冒険者も増えてそうだし、より注意しないとな。

迷賊ではなくても、魔がさすという事もあるし警戒は必要だ。

特に今の俺達は女性ばかりな訳だし。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る