第850話 このまま先に進もうか。的なお話
眠い!
迷賊と戦った後に寝たはいいが、2、3時間程度なので眠いです。
見張り中に戦闘をした俺ですらこうなのだから、途中で起こされることになったみんなは余計に眠いだろう。
だからか、蒼井が起きてこない。
これはまあ、納得出来る。
だって蒼井だし。
そしてルナが起きてきたのはいいがこっくりこっくりと船をこいでいる。
2番目の見張りだったからね。
そうなるのも仕方ないよね。
朝食が出来るまではゆっくりしてな。
「ふぁ……おはようございます。」
「あ、ナタリアさん、おはようございます。眠そうだな。」
「ええ、それほど長時間ではないとはいえ、戦闘を行いましたし……まあ、それでも、私とあなたはまだいい方ですが。」
「そうですね。それで、どうします? 今日はみんな眠いだろうしあんまり進めそうにないですよね?」
「そうですわね……やはり、早めに探索を終えて休んだほうがいいと思いますわ。」
「もしくは、出発を遅らせて仮眠を取るとか?」
「あなたはどちらがいいと思います?」
「俺としては出発を遅らせる方かな。睡魔で集中力が落ちた状態での戦闘は危ないから。」
「確かにその通りですわね。では、今日の出発はお昼を過ぎてからにしましょうか。その間の見張りは昨晩見張りをしていなかった者に任せましょう。」
「分かりました。みんなにもそう伝えます。」
そう伝えたところ、みんなホッとしてた。
やっぱり眠いもんね。
そして朝食を食べ食休みを終えたらお昼寝? いや、まだ午前だし朝寝? まあ、とにかく仮眠タイムだ。
俺、ルリエ、ルナ、レイダさんが見張り組だった。
蒼井はただの寝坊助だ。
なので仮眠時の見張りは任せた。
まあ、6人全員で見張りをする必要性はないから誰か眠るのか、全員で見張りをするのか、それは自分達で決めてくれ。
◇
んっん〜。
よく寝た。
気分爽快。
これなら午後の探索は問題ないな。
起きて外に出るといつの間にか昼食が出来ていた。
多分蒼井のアイテムボックス辺りから出したものだろう。
そして昼食、食休みを終えて探索を再開する。
やはりしっかりと寝れたのが良かったのだろう、足が軽いし頭がぼーっとしない。
これなら何も問題はないな。
再開後早速罠です。
慎重に進み罠の起点を踏まないように注意して通り過ぎる。
ちなみに、罠の内容は鎖で繋がれた剣やら斧やらといった刃物が無数に落ちてくるというもの。
当たったら死ぬね。
その為アデラードさん謹製マップには罠の詳細が事細かに書いてあったそうです。
そうして順調に進んでいき、ようやく14階層への階段前へ。
途中でアーマードッグの群れ(3匹)と遭遇したが出番もなくあっという間に戦闘が終わってしまったけど。
とにかく順調だ。
軽く小休止を入れて14階層へ。
この階層は雰囲気が何か変だ…………なんてことはなかった。
よくよく考えてみれば何か変になるとしたらさっきまで居た13階層の方が相応しいだろう。
なんで13が良くないのかは知らないけど。
「魔物。数は6。」
リリンが魔物を察知し教えてくれる。
武器を構え警戒していると曲がり角から姿を現したのはゴブリン。
但し、装備が少しばかり上等な物になっているところを見るに上位種。
ゴブリンナイト辺りかな?
まあ、上位種だといっても所詮はゴブリンだ。
苦戦する程の相手ではない。
さっくりと首スポーンして終了だ。
今回は俺も戦闘に参加出来た。
罠に気をつけさえすれば問題ないし、このまま先に進もうか。
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