第842話 それじゃ、行くぞ2人とも。的なお話
セフィア達の美味しいご飯でお腹も膨れ、食休みもして気力十分。
いざ探索再開……ってところでふと思い出す。
あ、記録結晶の実験するの忘れてた。
あぶねーあぶねー。
ビスカさんの変貌が衝撃過ぎて普通に忘れてたわ。
いやー、思い出せてよかったよ。
「あ、ちょっと待って貰ってもいいですか?」
言葉遣い……き、気をつけねば。
「なんでしょう?」
「これについてもう少し実験がしたいんだ。」
「記録結晶……でしたわね。」
「はい。これってちゃんと到達階層への転移が出来る事は分かったけどさ、転移先への指定がないだろ? だから、記録した地点なのか、それとも階層の入り口なのか、もしくは記録した地点に最も近いセーフティーエリアなのか……その辺がわからない。だからその実験をしたいんだ。」
「……確かにそれは重要ですわね。記録した地点に転移するのであればセーフティーエリア等で記録しなければ危険。入り口ならば途中で撤退するのも少々勿体無いので、探索は階層の入り口で止めるのが良いでしょう。1番良いのは近くのセーフティーエリアに転移するのですわね。」
「その通り。だからその実験をしたいんだ。」
「分かりましたわ。必要な事ですし構いませんよ。……ですが、何故出発しようとした時に? もう少し早くに言ってくれてもよかったのに。」
「いえその……宝箱のあった部屋での一件が衝撃的で、ついさっき思い出したんですよ。」
ここでちらちらとビスカさんに視線を向ける。
気付いてくれという視線をナタリアさんに向けるのも忘れない。
「ああ、なるほど。」
分かってくれたようだ。
「それで、セフィアとリリンも実験に参加してもらうつもりです。セフィアは入り口だった場合のマッパーとして、リリンは罠の警戒で。後は、1番連携が取れる間柄なんで、他の人と組むよりも早く戻ってこれるはず。」
「ではそのように。私達はその間ここで待たせてもらいますわね。」
「はい。」
というわけでセーフティーエリアを記録した後、セフィアとリリンを連れてセーフティーエリアから出て少し離れる。
理想としてはやっぱり記録した地点の近くのセーフティーエリア。
これだと入り口よりもセーフティーエリアが近くなった時点で使えばショートカットする事が出来るから。
次点は記録した場所だけど、結果はどうなることやら。
「転移。」
視界が変わり、転移した事が分かる。
残念な事に近くに俺達の【
つまりは、入り口に転移するという事だろう。
後ろを見れば階段もあるし。
近くのセーフティーエリアにってのは、フランの優しさから可能性があるかもと思ったけど、流石に無理だったか。
まあ、それはズルいし仕方ない。
でも、あまりオツムが良くない冒険者が通路を記録、次に使用した際に魔物集団のど真ん中に転移して殺されるっていう事件が起きないわけだし、そこまで悪いって事はないか。
「さて、それじゃあみんなの所まで戻るとしますか。」
「そうだね。」
「転移使う?」
「楽だし安全だけど、流石にそれを使うほどの事じゃないし、いいよ、使わなくて。それに、短い時間とはいえ、久し振りに3人でのダンジョン探索だ。その時間を無くすなんて勿体ないだろ?」
「ん。」
「そう言われてみれば、そうだね。初心者ダンジョン以来だっけ?」
「そう。それも最初の方だけ。」
途中でアカネを拾ったり、蒼井を拾ったり、ルリエが混ざったり、レイダさんを買ったりしたからな。
「でもあんまりのんびりしてみんなを待たせるのも悪いし、ここは……「「最速で最短でまっすぐに一直線に! だよね?」」……ははっ! その通りだ。それじゃ、行くぞ2人とも。」
「うん!」
「ん!」
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