第839話 もう1人2人罠感知持ちが欲しいや。的なお話
ランが罠の種類の見分け方、対処の仕方、そして罠の解除の仕方を実演を交えて教えてくれる。
それを聞いてるのはリリン、蒼井、ユキノ、イリスさんだ。
俺は才能ないと追い出されたというか、諦めたから……。
そんなわけで3人に任せよう。
ゴソゴソカチャカチャとやる事2分。
これが早いのか遅いのかは分からないけど、無事に罠の解除は済んだようだ。
ちなみに、今回の罠がどんな罠かというと吊り天井が落ちてくる奴。
一見するとただの天井なのにな。
あ、この11階層から様相が変わってて遺跡風になってます。
だから継ぎ目とかも本当に分からない。
元々継ぎ目だらけだし。
罠を越えて進んでいくと魔物と遭遇。
いきなりオークさんだ。
1匹だけだけど。
というわけで……あ!
「ふっ!」
「はっ!」
「やあっ!」
俺が行こうとしたが出遅れてしまう。
リリンが右肩をズバリと斬り裂き、腱を斬られたのか腕をだらりと下げて棍棒を落とし、ビスカさんが盾で顔面をグワンと殴りつけると脳が揺さぶられたのか頭をクラクラとさせ、そしてトドメとばかりレヴィが片手斧二刀流で脳天を3分割して終わらせてしまった。
俺が首スポーンして倒したかったのに……。
更に進んでいくと再びの罠タイム。
今回の罠は大雑把に丸で囲ってあるだけなので危険性は低め。
というわけでみんなで観察してみる。
範囲が大雑把なので正確な位置は分からないし、こうして探していく事で罠感知スキルをリリン以外の誰かが覚えるじゃないかな〜っていう期待もある。
「ん。」
とか思ってたらリリンが見つけてしまったか。
やっぱスキル持ちには敵わないか。
リリンが見つけた罠は酷く単純なもので、人が近づくとニュッと人形が出てくるというもの。
いやこれなんの意味があんの? と思いたくなるが、これもちゃんと意味があるようで、ラン曰くここで戦闘になる事が多く、その時に足元から突然これが出てくると躓いて隙を見せてしまうという事。
確かに罠単体の危険性は限りなく低い。
精々転んで膝とか擦りむくくらいだろう。
でも、戦闘中に引っかかるとヤバイ。
この辺はお遊び要素が強かった初心者ダンジョンとは違うな。
あっちタライとか降ってきたり、小麦粉吹きかけられたり、パイをぶつけられたりとどこのバラエティかよとツッコミたくなるのもあったし。
足元に注意をし、ニュッ、ニュッ、ニュッと出てくる人形ゾーンを超える。
というか、複数あるのね……。
人形ゾーンを越えたあたりでコボさんの集団と遭遇。
もう少し遅れていたら人形ゾーンでの戦闘になっていたかもしれない。
もしもそうだと一撃貰っていた可能性もあるし、越えてからでよかった。
罠がないと分かっていればコボルト集団如きどうということはない。
あっさりと殲滅をして先へと進んだ。
道を曲がり、時に小部屋を素通りしたりしながら進んでいくと今度は罠の仕掛けられた部屋と遭遇。
罠の中には宝箱があり、開けるべきか素通りすべきかと悩ましい。
「宝箱あるけど、どうする? 罠も仕掛けられているみたいだしさ。」
ちなみにこの部屋は丸囲みだ。
「……行ってみましょう。アデラード様の地図によれば危険性は低いんですのよね?」
「そう書いてある。」
「ならば、行ってみても問題はないでしょう。」
あ、この地図のダメなところ1つ見つけちゃったかも。
地図が頼りになり過ぎるから、自分で見て調べて考えるのではなく地図に依存してしまう事。
地図頼りだと別のダンジョンに行ったりした際に罠で苦労しそう。
やっぱりもう1人2人罠感知持ちが欲しいや。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます