第832話 みんなはどうするのかな? 的なお話

サクサクっと進み次は8階層。

8階層まで来れば流石に一撃で死ぬなんて事も無いだろうし、そろそろ連携の訓練に移ってもいいんじゃ無いかな?

というわけで、ランの完敗決定。


「もうちょっとくらいいいじゃない!? ね? お願いだからさ。」

「レントさんの提案は納得出来るものですし、流石にわがままを通すわけには行きませんわ。」


そういえば俺が言い出したんだっけ?

そんな会話もあったりしつついざ8階層へ。


最初にエンカウントしたのはオークさん。

いや、ひょっとしたらこれまでにもエンカウントしかけてたのかもしれないけど……全部リリンがサクッと処理してたからねぇ。

ちなみにオークといえばシアとルナの元トラウマの対象。

素人考えの荒療治で克服した筈だけど……うん。

問題なさそう。

大丈夫だと言われてるし前に対峙した事もあるから大丈夫なのは分かってるんだけど、やっぱり気にはなるものでね。


そのオークさんはアンジェラさんがガインと受け止め、イリスさんとレヴィ、ランが攻撃して倒した。

……俺、また仕事をしてないんだけど。


「即席とはいえ、安定してますわね。」

「アンジェラさんがいい仕事をしてますからね。攻撃を受け止めるのは勿論、試合を塞いだりしてましたから。」

「褒めていただきありがとうございます。では、次からも色々と組み替えて試してみましょう。」

「そうですね。」


次に現れたのはコボルトの集団。

まあ、5匹ほどなんですけどね。


「俺が行きます。」


バーミさんの時にも一応戦ってはいたが、たったの2撃では戦った感じはなく物足りなかったから我慢出来なかった。

俺に続くようにナタリアさんも出てくる。

結果俺、ナタリアさん、ビスカさん、リリンの4人で戦闘する形になった。


「はっ!」


ビスカさんが最初に襲って来たコボルトを受け止め、横を抜けようとした1匹を槍で殴り飛ばして後ろのコボルトにぶつけてまとめて転ばせる。

残り2匹には小さな落とし穴を土魔法で掘って躓かせている。

凄い……。

たった1人で見事に抑えているし、転んだり躓いたりとそこまで大きくはないけど、隙を作ってこちらが攻撃しやすいようにしてくれてる。

ビスカさんは目の前のコボルトに槍を突き刺し、盾で殴り、そしてトドメをさしている。


俺は落とし穴で躓いたコボルトを1匹仕留め、ナタリアさんも同様に。

そして俺は見た。

リリンは立ち上がろうとしている吹き飛ばされた方のコボルトの脳天に短刀を突き刺し、それを抜くのだが、横に振り抜き巻き込まれた方の喉を掻っ捌いて倒していた。

それはほんの一瞬の出来事のようで、まさしく必殺仕事人といった手際。

はー……スッゲーな。

そりゃランにも勝てるわな。


その後も手を替え品を替え人を替え、色々なパターンでの連携を確かめていく。

その中には最初と同様、後から混ざることになったユーリ達を交える事もある。

ユーリはなんだかんだあるものの、Cランクというのは伊達ではなくスムーズに戦うことが出来た。

ちょっと意外だけど。

レヴィは片手斧二刀流や棍棒を使ったりと脳筋と思われそうな装備に反し、受け止めて隙を狙う後の先のような戦い方で多分ユーリ達の中で所謂タンクみたいな戦いをして来たのだろう。

そさてイリスさんは一歩引いて状況を見ようとする傾向がある。

ただその分少し思い切りが足りず、戦闘に少しばかり時間がかかってしまう感じ。

一緒に組んでみてそう感じた。


この辺のことが知れただけでも連携の訓練として魔物達に実験台になってもらった価値はあった。


途中でお昼休憩を挟みつつ進み、モンスターハウスと出会う。

俺としては挑むのもアリだと思うけど、みんなはどうするのかな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る