第770話 みんなに伝えるだけだな。的なお話
訓練の後、いつものように……最近はエリュシオン邸に泊まってたけど、うん。
いつものように、宿レイランで一泊。
そして、朝食を済ませ顔合わせの為にギルドへ。
ちなみにフランだが、訓練中いつの間にか居なくなっていたと思っていたら何故か宿の俺の部屋にいた。
いや、別にいいんだけどね。
でも、一言言って欲しかった。
「あ、こっちこっち!」
ギルドに入るとアデラードさんがこっちと手招きしてくる。
かわいいけど、そこはもう少し威厳のある感じでやって欲しい。
一応ギルドマスターで、周りの目とかもあるんだし。
アデラードさんが手招きした場所へ向かうと、すぐにナタリアさんがいることに気づく。
ナタリアさんだけじゃない。
ルキノさん、ランさん他、【天装の姫】のクランメンバーもいる。
「よっ、久しぶりだな。」
集まっているところに着いたタイミングでルーマスさんが話しかけてくる。
側には妹のアンネさんもおり、他のメンバーも欠員はないようだ。
「お久しぶりです、ルーマスさん。」
「だ・か・ら! 俺の名前はルーカスだーー!」
「あ、すいません。なんか、ルーファスとかルーモスとかルークスとか色々出てたからこんがらがっちゃって。」
「その中にルーマスはねぇだろ!」
「あははは……どれが正しいのか分からなくなって気づいたらそう呼んでました。」
「ったく……今度は間違えないでくれよ。」
「はい……多分。」
「今多分って言ったな?」
「気のせいですよ。」
「兄さんの名前なんてどうでもいいでしょ。それよりも、元気してた? 何か面白い事とかあったりした?」
「どうでもいいとはなんだ!?」
「面白い事ですか……えーと、恋人が増えましたね。」
「「「なんだってー!?」」」
「うわっ!?」
「ちょっ、おまっ、増えたってどういう事だよ!?」
「そうだよ! 兄さんはまた振られてたのに、また増えたの!?」
「なんでアンネがそれ知ってんだよ!?」
うわ……また振られたのか。
悪い人じゃないとは思うんだけどな。
「そこ、何騒いでんの!」
「やべっ!」
騒ぐルーカス兄妹がうるさかったようでアデラードさんに注意されてしまった。
そのアデラードさんは注意だけではなく何故かこちらの方に歩いてくる。
え、何?
なんかまだあるの?
「それより、他のみんなは?」
「え?」
他のみんな?
前と同じメンツって言ってたよね?
それで3人だけで来たんだけど……。
そう伝えると……
「ああ、そっか。そういえばそう言ってたね。じゃあ、悪いんだけどみんなにも護衛をしてもらう事を伝えてもらえるかな? もちろん、この後の話し合いに関しても。」
「え、いいんですか? その、周りの事とか……。」
万全を期したいと言っていて、だから経験のある前回のメンバーを選んだって話のはず。
それなのに急に加えていいのか?
「いいのいいの。私が決めたことだから。」
なんという発言。
ギルドマスターとしての強権発動ですか!?
「それに、3人だけってのは前回の失敗点だしね。レントさ、途中結構暇を持て余してたよね?」
「そうですね。1人でできる事なんてあんまりないですし。」
「それに、2人は調理の手伝いをしていたしね。そのためレントは1人でいる時間ができてしまい、護衛としての仕事にはならなかった。だからだよ。だから他のみんなも選んだ。何人か調理の手伝いをして抜ける……というか、調理班の護衛も兼任してもらえるから人数が多い方が助かるしね。その何人かを抜いてもレント達なら数は十分だろうから護衛としても頼れる。前回みたいな列の整理を今回もしてもらうつもりだけど、その間も他のメンバーが護衛を出来るからね。」
「なるほど……一応ちゃんとした理由もあったんですね。」
「当然。実力も申し分ないしね。アカネはBランクだし、他のみんなもC+とかCで、実際の実力はCランクの平均を余裕で超えている。ま、同じパーティって事でねじ込むのは簡単だし。」
結局ねじ込んだんかい。
その後、顔合わせと護衛に関しての話し合いをしたが、やはり一度経験がある為か、すんなりと話はまとまった。
まあ、前回と基本的にはおんなじだし。
今回も俺達は拠点の護衛で、他の森の中での護衛の人とは話し合う必要がなかったのも大きい。
そっちの連中とは面識がないから自己紹介とかで時間がかかったと思う。
後は、みんなに伝えるだけだな。
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