第767話 もっと精進しないと。的なお話


前回と話数が合ってないですがナンバリングミスです

内容の連続性についてはなんの問題もないはずです


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剣だけならば蒼井に負ける気はしない。

でも銃ありだと、安全の為一発当たったらアウトのルールだから上手く躱せるか不安があったけど、まあ、勝てて良かったよ。

一応、メンバー内では4番手くらいかなとは思ってるから、上の3人以外に負けるのはな。


「ほら。」

「ありがと。」


そう思いながら蒼井に手を差し出すと、蒼井は悔しそうにしながら手を握ってきた。

うわ。

やっぱ女の子なんだな。

手、柔らか。

内心の動揺を隠しつつ、手を引っ張って立たせる。


「ねぇ、どうやって避けたの?」

「動き回って……じゃないよな。最初のか?」

「そうよ。」

「流石に弾を見て避けるなんて出来ないからな。コ◯ンでやってた銃口と指の動きを見て躱したんだ。……まあ、リリンなら弾を見て躱せそうだけど。」

「……それはありそうね。」


1番簡単なのは魔力障壁で防ぐ事なんだけど、そんな事はまだ出来ない。

日々の訓練のおかげでやっとこさ、発動までの時間が1分50秒くらいと10秒ほど縮められるようになってきたのだ。

まだまだ先は長いなぁ。


「お疲れ様。レント凄いね! ユウキちゃんの魔法銃を躱しちゃうんだもん!」

「いや、あれはただの技術で多分セフィアにもできると思うぞ。それに、連続で撃たれたら躱しきれないと思うし。」

「でも躱せるだけ凄いよ!」

「ああ、うん。ありがとう。でも……」


視線をリリンに向けて一拍。


「リリンなら見て躱せそう。」

「……確かに。」

「流石に無理……加速を使わないと。」


流石に無理と言った時点で流石にそれはないよね。という意味でデスヨネーって、言いそうになったけど、その後の言葉に言葉が出なかった。

いくらなんでもそれはないよね? と、笑って、え? ってなる良くあるパターンにはならなかったよ。

……リリン、流石だぜ。


一発当たったらアウトというルールで速くて早い魔法銃を接近戦で相手にするというのは精神的に疲れる。

常に銃口を意識しないといけないから。

だから一旦外に出てみんなの模擬戦を眺める事にした。

今戦っているのはアカネとレイダさん。


果敢に攻めるレイダさんの突きをアカネは左右にステップしたり、後ろに下がったりして華麗に躱している。

アカネは懐に入るタイミングを計っているのだろう。

そしてレイダさんもその事には気づいていると思う。

その証拠に隙の大きい攻撃はしていない。


そんな感じで互いが互いの動きを見計らっている時間が続く。

大体5分くらいか?

それだけの時間、読み合いが続いている。

気の長い事だ……とは思わない。

戦闘の状況次第ではそうなることもあるだろうし。

例えば援軍を待つために体力や魔力を温存したりとか、相手に時間制限がある状態とかさ。


とか思っている間に動きがあった。


「廻震波斬!」


レイダさんが突然その場で回るようにしての斬撃を放つ。

重要なのは刃先に魔力の刃が存在しており、それによってリーチが伸び、シメの攻撃なのか、最後にその魔力の刃を解放して飛閃のような斬撃が放たれた。


咄嗟の事だったが、相手の動向を注意深く観察していた状態だったお陰か、即座にバックステップで回避、最後の飛閃もジャンプして躱した。

しかし、躱されるのは想定内だったようだ。

レイダさんは廻震波斬とかいう技を放った直後に接近して攻撃を仕掛ける。

着地する瞬間を狙っていたようだ。


虚をつかれた表情をするアカネ。

これはレイダさんが勝ったか? って思ったが、そうは問屋がおろさなかった。

アカネは咄嗟にわざと着地に失敗して、その場に転ぶ。

その状態でレイダさんに足払いをして転ばせると、即座に立ち上がり、足で槍を抑えて剣を向ける。


「はぁ、はぁ、はぁ、……私の勝ちね。」

「はぁ、はぁ、はぁ……ふぅ。そのようですね。」


よっぽどびっくりしたようで、アカネは息を荒げている。

そして、ずっと攻撃して空振りし続けていたレイダさんも息が荒い。


しかしレイダさん、随分と強くなったな。

俺、ちょっとヤバイかも。

もっと精進しないと。

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