第747話 貴族ってめんどくさいな。的なお話

目的を全て達成したので、早々に宿に帰ったのだが、どうやらそれがの予想外だったようで少しばかし驚かれた。

買い物にそこまで時間はかけないよ?

量自体も普段より少なかったし。


そろそろお昼時という時間に戻ってこれたので、食堂にてお昼を食べる。

そんな日常の一幕でレイダさんがこんなことを言ってくる。


「ご主人様。私の槍に推進機構を取り付けることは出来ないでしょうか? 高速機動からの吶喊は一考の余地があると思うのですが。」

「えーと、どうしてその発想に至ったのか教えてくれるかな?」


詳しく話を聞いてみると、どうやらレイダさんはな◯はの3期を観ていたようだ。

何故3期かといえば、映画の第1弾、第2弾が無印と2期のリメイクであった為、似たような話よりかは3期の方が楽しめるんじゃないかと思ったそうだ。

いやいや、いきなり映画観だした俺がいうことじゃないけど、アニメ版にはアニメ版の良さがあるよ。

映画も最高だけどさ。

で、その3期に出てた槍使い君を観てその考えに至ったそうだ。


「いや、無理だから。それが出来るだけの推進力を得るには火力が必要で、その火力は危険だからさ。まあ、そもそも、そんな機構を付けるには魔道具作製に関する知識が必要で、俺はそれは分からないからさ。」

「そう、ですか……では、カンナさんに聞いてみましょう。」

「話聞いてた? 危険だって言ったよね?」

「はい。ですが、聞く分には何も問題ないでしょう。それに、それがきっかけで新しい発見があるかもしれませんから。」

「ま、それはそうだけどさ。」

「まあまあ、いいじゃない。この後の予定は何もないんだしさ。」

「そうだな。じゃ、この後はアデラードさん家に行ってカンナさんに話を聞きに行こうか。」

「はい。」


そんな感じでカンナさんに魔道具に関する話をしに行くことになった。

ついでに剣に付けるアクセサリーの話もしようかな。

柄とか剣に魔道具としての回路を作って、アクセサリーに魔石と属性変換の回路をつければいける気がしないでもないが、それでうまく行くかは分からないしそもそもその回路自体分からん。

それにあくまでもこれは素人考えだ。

実際はどういうものか分からない以上はどうすることもできん。

だから、その辺をお願い出来たらなと考えている。


エリュシオン邸に一緒に行くかを聞いたところ、みんながついてくることに。

どうやら魔道具作製に興味があるようだ。

ま、分からなくもないな。

俺もちょっとワクワクしてるし。


「皆様ようこそお越しくださいました。本日はどのようなご用件で?」

「カンナさんに相談したいことがありまして、今カンナさんは?」

「彼女ならば今は掃除の試験中ですので、しばらくお待ち頂くことになりますがよろしいですか?」

「構いません。こちらが突然押しかけたんですから、それくらいは当然ですよ。」

「では、その間はこちらでお待ちください。」


メイドさん……確かミストレーニアさんだったかな?

夜這いして試してきた人。

その人に案内されて部屋で待っていると、ドアがノックされそこからやって来たのは俺の専属という話のリゼットさん。

苗字は言いづらいものだった気がするけど、よく覚えていない。


「失礼します。お茶をお持ちしました。」

「ありがとうございます。」

「レント様、私はメイドですので、敬語は必要ありません。そこは気軽にありがとうだけで構いません。」

「年上の人にそれは……。」

「年齢は私が上ですが、立場では貴方様の方が上ですので気遣いは無用です。それに、今後のことも考えるとメイドに敬語は少々よろしくないかと。アデラード様にも迷惑がかかるかもしれませんので。」

「うっ……分かりまし……分かった。忠告感謝するよ。」

「はい。」


う〜。

やりにくい。

でもリゼットさんの言うことにも一理あるんだよなぁ。

主人に敬語を使わせる駄メイドなんて罵ってくる馬鹿が出てこないとも限らない。

そう言う連中は口撃する口実を常に探してるイメージがあるし。

だから言葉使いなんかにも気を配る必要があるのだろう。

本当に、貴族ってめんどくさいな。

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