第744話 これからどうしようかね? 的なお話

さてさて、今日は……どうしよう?

リベンジしたいという目的は達成出来てないけど、それでも依頼を受けたわけだしまた何か、という気にもなれない。

帰って来たばっかだしね。

ちょっとばかし休みたいという気もしてるけど、それもどうかと思うし……どうしたら……?

……よし。

とりあえず、ギルドに行ってみるか。

狩猟大会がいつなのか気になるし、それに合わせての間引きもある。

まずはギルドに行ってから考えよう。

でもその前にみんなに言っておかないとね。


「狩猟大会の事とか気になるし、とりあえずギルドに行こうと思うんだけど、みんなはどうする?」

「僕も行くよ。狩猟大会は気になるしね。それに、使った分の食材も補充しておきたいし。」

「レントが行くなら行く。」

「私も一緒に行きます。お兄さんと一緒にいたいですから。」

「私は行かない。また馬鹿が出て彼女と間違われたくないもん。」

「私も行かないわ。アルバとマロンの機嫌をとっておきたいし。」

「あー、すまんシア。頼んだ。」

「任せておきなさい。でも、後であんたも顔くらいは見せておくのよ。じゃなきゃ、そっぽを向かれても知らないからね。」

「分かった。ルナは?」

「私は、読みたい本が、あるから、ゆっくり、したいかな。」

「そっか。読み終わったら感想聞かせてね。」

「うん。」


はにかむルナ。

すごく可愛らしい。


「レイダさんは……休んでね。」

「何故私だけ命令を!?」

「いや、一昨日依頼受けたばっかでしょ? 無茶して体壊して欲しくないからね。」

「分かりました。ではアニメを必殺技の参考にしたいので魔道具を貸してもらえませんか?」

「いいけど……程々にね。アカネは?」

「私も行くわ。一昨日の馬鹿がどうなったか、アデラードさんなら知ってると思うから一応聞いておきたいし。」

「最後にユキノだが……「ちょっ、なんで私は抜かしたっすか!?」いやだって、仕事でしょ?」

「そりゃ、確かにあるっすけど……少しは聞いてくれたっていいじゃないっすか!」

「じゃ、アイリスさんは?」

「仕事があるっす!」

「ほら、もう終わった。」

「うぐっ!」

「ま、怪我しないように気をつけてね。」

「もちろんっす!」

「で、ユキノは?」

「私は……まあ、今日はおとなしくしておくよ。」

「そうか。」


というわけで、ギルドには俺、セフィア、リリン、ルリエ、アカネの計5人で向かう事に。

それと、途中まではアイリスさんも一緒に行く。

アイリスさんの店はギルドのすぐ近くだからな。


軽くおしゃべりなんかをしながら移動してたもんだがらあっという間に別れるところまで来てしまった。

アイリスさんと別れてギルドへ向かうと、リナさんが忙しなく仕事をしていた。

どうやら間に合わなかったらしい。

後ろの方で先輩さんが睨んでますもん。

俺にはどうすることもできないので、ひとまずアデラードさんの方へ向かう事にした。


「おはようございます。」

「ん? あ、レント! おはよう! どうしたの?」

「狩猟大会がどうなっているのか気になったんで聞きに来たんですよ。」

「そっか。それなら、3日後に間引きを行い、そこからさらに3日後に狩猟大会を行うって事になったから。今はその為の広告をリナに作ってもらってるよ。」

「あー、忙しそうだったのはそれでか。」

「そうそう。というわけではいこれ。狩猟大会の日の護衛依頼書。これ持ってリナのところに行って受理して来てもらって。一応専属なんだし、リナのサインが必要だから。」

「分かりました。」

「あ、他には、用とかないかな?」

「今の所はないですね。邪魔しちゃ悪いですし。」

「そう……。」


しょんぼりするアデラードさん。


「あ、そうそう。アカネがちょっと聞きたいことがあるって言ってましたよ。」

「ちょっ! 今言う!?」

「いやでも、そう言ってたじゃん。」

「そうだけど……はぁ……。えと、『灼火の豪炎』ってあの後どうなりましたか?」

「あー、それね。尋問の結果、レジュル子爵と繋がってたんだよ。だから、今はそっちの方でもバタバタしてるかな。」


レジュル子爵ってーと、確か冒険者に金貸して暴利を貪ってるって噂があるって奴じゃなかったっけ?

それと繋がってるって、なかなかに悪党じゃないか。


「ちょっとぶん殴ってくる。」

「それはもういいから!」


そう聞いたら腹が立ったので殴りに行こうとしたが、残念な事にアカネに止められてしまった。

仕方ない。

命拾いしたな、灼火の馬鹿共。


「そういうわけなので、申し訳ないですがご退室願います。このままでは仕事が滞ってしまいますので。」

「エリーナ!? いつからそこに!?」

「さっきですよ。」


いつの間にかいたエリーナさん。

忙しさにちょっとばかりイラついている感じがあって、あまり長居するのもよくないと思わされる雰囲気。


「えと、それじゃ俺達はこれで失礼しますね。」


触らぬ神に祟りなし。

あの分だと狩猟大会が終わるまで何もないし、これからどうしようかね?

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