第731話 目視や物音で探すのも必要だよね? 的なお話
森へ来た。
依頼があってどこかの村か何かを経由するのであれば馬車で来たのだけど、残念ながらハードジャイアントが生息しているのは森の奥地。
だから馬車はいらない。
すまないな、アルバ、マロン。
リリンの気配察知を元に魔物を探す。
ハードジャイアントはまだ先だし、今の内に依頼の魔物を討伐しようと思ってる。
今回受けてるのは確かブラックローラーとヘビィコング、そしてローグパンサーだったな。
ブラックローラーはおっきなダンゴムシでヘビィコングはゴツいゴリラ。
ブラックローラーは受け止めて開いたところを燃やせばいいしヘビィコングひ鈍臭いから普通に倒せばいい。
でも、ローグパンサーとは戦った事ない。
パンサーっていうんだしきっと素早いんだろう。
注意しないとな。
「魔物。」
リリンの宣言と共にみんなは戦闘態勢をとる。
まだまだ浅いところとは言え、奇襲されたら怪我をするかもしれない。
致命傷となるかもしれない。
油断は大敵なのだ。
「フゴッフゴッ!」
「なんだ、トライデントボアか。リリンは周辺警戒の継続。こいつは俺がやる。」
「ん。」
トライデントボアは一応Dランクの魔物なんだけど、もはや敵ではなく突進してくるところを右に躱しながら首を一突き。
それだけでボアは勢いをなくしそのまま崩れ落ちる。
そういえば、冒険者に登録して最初に倒した強敵がトライデントボアだったな。
そう考えれば随分と強くなったものだ。
途中何度かゴブリンやコボルト、ラージラットのような雑魚が現れたり、スライムが落ちて弾け飛んだりするが、その程度では足止めにもならず奥へ奥へと進んでいく。
「そろそろお昼にしよう?」
「そうだな。どうする? 出来合いのにする? それとも何か作る?」
「作るよ。ちょうど拓けたところだし。」
「了解。」
言われるがままに食材と調理道具を取り出してみんなに任せる。
4人で作るのですぐに出来上がってくる。
流石だ。
「さて、そろそろCランクの魔物が出て来てもおかしくはないし、気をつけていこう。」
「ん。」
「そうだね。」
気負い過ぎず、かといって気を抜き過ぎず、適度な緊張感を持って進んでいくと早速魔物が現れる。
「ブモォォォ!」
「オークかい!」
憎っくきオークだったのでツッコミ混じりに瞬殺。
気を取り直して進んでいく。
魔物討伐ばかりしていたけど詳しくはないけど、漫画とかだとこういう所には色々な薬草や食べられる野草なんかが生えてたりするよな?
そういうのを知ってるかどうかでもいざという時の生存率が変わってくるものだし、そのうち勉強とかしておいたほうがいいのかな?
美味しいキノコならまだしも、毒キノコに当たって死ぬとか目も当てられん。
最低限、食べられるものと食べられないものくらいは見分けられるようになったほうがいいかもしれんな。
そんなことを考えている間にヘビィコングがリリンによって処理されてしまっていた。
いつの間に……。
何はともあれ後はブラックローラーとローグパンサーだな。
ローグってのはゲームでは盗賊系統の上位職だったりするわけだし、恐らく隠密能力の高い魔物なのだろう。
気配察知を切り抜けるスキルを持っている可能性もあるしリリンだけに頼るのは良くないかも。
ここからは目視や物音なんかにも注意して探した方がいいかな。
「魔物。木の上。」
「ニャウッ!」
リリンが魔物の場所を言いつつウォーターボールを木に向かって放つとそれを躱したのだろう黒い豹の魔物が降り立つ。
………………。
えーと、周囲の警戒を1人に任せっきりというのは良くないと思うし、目視や物音で探すのも必要だよね?
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