第586話 心臓が落ち着くまで待って欲しい。的なお話
とりあえず、バリア系の方でやってみよう。
こう、魔力がみょみょみょ〜って出てる感じで。
そういえばあれって、ミ⚪︎ドとベ◯カで見た目違うんだよね。
………うん。
細かい形状の違いとかよく覚えてないし気にしないでおこう。
ま、ひとまず、右手でやってみるか。
スー、ハー。
よし。
うおぉぉぉぉぉぉぉお…おお………おぉ?
えーと、魔力が出てるのは感覚的に分かるんだけど、出来てるのかどうか全然わからん。
触って確かめ……あ、集中切らしてた。
やり直しだな。
もう一度、今度は集中を切らさないようにしつつ触って確認をしよう。
ふっ!
ぬぅぅぅぅぅぅ……
ここで触って……何か違うのか?
変化がまるで分からない。
というかちゃんと出来てるのか?
「アデラードさーん。これって出来てる時ってどんな感じになるんですか? 見えないからどの程度できてるのかも分からないんですけど。」
「そういえばまだ見せてなかったね。といっても、これは術者のイメージが強く出るから固定観念を与えるとかえって習得の妨げになったりすることもあるんだけど……どうする?」
「お願いします。今の状況だと、練習のしようがないんで。」
「分かった。じゃ、やってみるよ。みんなも見たい人はこっち来て。」
アデラードさんがそう言うとみんなやって……いや、シアとルナは来てない。
2人以外のみんながこっちに来た。
「じゃ、いくよ。」
そう言うとアデラードさんの前に半球状のガラスのような……それでいて光沢があって少し光を反射している……あ、昔ポ◯モンで見たバリ◯ードのバリアが似てるかも。
でもこれってアデラードさんのイメージだから、これを真似るじゃなくて参考にして自分のイメージに活かすべきだろうな。
「誰か触ってみる?」
「あ、触ってみたいです。」
「僕も。」
「私も。」
「順番に触ってみて。」
触ってみると、意外とツルツルしてて、でも指に引っかかる感じもある。
不思議な感触だ。
硬さは……めっちゃ硬い。
これ壊せんの?
叩いてみるがゴツゴツって言うんだけど……。
他のみんなに場所を譲ると、それぞれ触ってみたり軽く叩いたりと感触を確かめていく。
「じゃ、次は攻撃してみて。あ、剣とか使っていいから。」
「それじゃ遠慮なく。」
ウルなんとかの剣を取り出して斬りつけてみるが全く刃が通らない。
それどころか斬りつけた手が軽く痺れるくらいだ。
「かった……手、痺れた。」
「すごい……。」
「次は魔法ね。」
「私がやる!」
ーードンッ! キンッ! チリッ!
へ?
……………………。
み、耳、付いてるよね?
良かった……ある……。
「蒼井ーーーーー!! 危ねーだろ! 危うく死ぬとこだったぞ!」
「ごめん。まさか跳ね返るなんて思わなかったのよ。」
突然蒼井が魔法銃で撃ってみた。
それはいい。
確かに弾は魔力によって形成されるから魔法という側面がある。
だけど、そのせいでその跳弾が俺の耳を掠めるとか……あと10センチずれてたら死んでたかもしんねーんだけど!?
仲間の跳弾で死ぬとか間抜けすぎるだろ!?
「えーと、ふ、普通に魔法を使ってくれないかな?」
「ん。私がやる。水狼咬牙。」
リリンが水狼を出して嗾けると障壁に阻まれてガルガルやってる。
でも、そんな事よりも今更ながらに心臓がばくばくいってんだけど?
死ぬかと思った…。
「ま、まあ、こんな感じだから、役立ててね。後、レントは大丈夫かな? あっちでちょっと休む?」
「……はい。そうします。」
今は集中して練習できそうにない。
心臓が落ち着くまで待って欲しい。
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