第555話 長く寝れるのは嬉しい。的なお話
夕食もこれまでと一緒で、ギルド職員の方々と天装のフランベルさん、そしてウチの3人が参加して調理を行った。
捕虜的なのもいるので魔物避けの魔道具を使ってるので見張りの人員が少なく済み、代わりに馬鹿達を監視しているが、そっちも少数で済んでいる。
全員縛られているからね。
なので俺は使った武器の手入れをと思ったのだが……
「あの……そんなに見られるとやりづらいんですけど……。」
「お気になさらず。」
「気にしてるから言ってるんですけど……。」
煌炎剣や全力の断罪炎覇の影響でウルなんとかの剣に歪みが生じてしまった。
ほんの僅かだけど、ちょうど時間も出来たことだしと携帯炉で直そうとしたらナタリアさんが手元を凝視して視線を外してくれない。
超やりづらいです。
雨にも負けず、風にも負けず訓練をした俺だが、この視線には負けそうだ。
でも、今更やめるというのもぉ……………はぁ。
頑張るしかないのか。
視線に耐えて歪みを直し、ついでに軽く研いでおく。
研ぎは斬れ味に直結するから結構厳しめに指導を受けたのでそこそこ自信はある。
片側は済んだ。
次は反対を……
「レントー、ご飯できたよー。」
「分かったー。」
携帯炉は放置し、剣だけをストレージに仕舞ってご飯を食べに向かう。
「ず、随分とあっさりと向かうのですね……。」
「折角セフィア達が作ってくれたのに、冷めたらもったいないじゃないですか!」
「……それもそうですね。冷めた料理よりも出来たての方が美味しいですもの。」
わざわざ調理師を連れてきただけはあって、ナタリアさんと俺の意見があった。
「あれ? そういえば静かですね。」
「うん。あんまり騒ぐものだから、眠らせちゃった。」
「あ、そうなんですね。」
一応、何かあった時用に食材は多めに用意はしていた。
しかし、だからといって犯罪者達にわざわざ俺達と同じものを食べさせる必要はないということで、お昼は干し肉とクズ野菜を使ったスープと固い黒パンをご馳走した。
栄養過多で小太りな体型を心配して栄養控えめにしてあげたというのにね。
それなのに騒いだものだからアデラードさんはかなりイライラしていたし、俺もイラついていた。
だから眠らせたと言われても、納得できてしまうな。
「そういえば、レントさんはどうして自分で剣の整備をしているのですか? 冒険者なら簡単な手入れくらいは出来るでしょうけど、自前の携帯炉まで用意しているのに少し気になりましたわ。」
「私も気になる。鍛冶も結構な腕だって聞いたしね。あ、それと後で私のもやってくれない?」
「いや、ただ単にスキル持ってたから習いはじめたってだけですよ。後、それは専門の人にお願いしてください。仕事を取る気は無いので。」
「むぅ……やっぱりダメ? お金も払うんだけど。」
「お金の問題じゃ無いです。あ、でも、無茶し過ぎて武器が心配とかだったらいいですよ。戦闘中に折れたりしたらこっちも困るので。」
「じゃあ、心配だからちょっと見て!」
「レント、ツンデレ?」
「断じて違う。」
リリンが妙な事を聞いてきたが、否定しておく。
というか、どこにもデレはない。
「では、私のもお願いします。レックスとの戦闘でガタが来てないか気になりますから。」
ナタリアさんがそう言ったのを皮切りに、ほとんどの人が整備をしてと言って来た。
問題ないのもあったが、中には歪んでたり曲がってたり刃毀れしてるのがあって、寝るまでの間ひたすらに作業をする羽目に。
でもその甲斐あって我らが
今日は色々あって疲れたのでゆっくり休めるのはありがたいな。
まあ、こんな所じゃ快眠にはならないだろうけど、それでも長く寝れるのは嬉しい。
みなさん。
おやすみなさい。
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