第525話 理解できるな。的なお話

申し訳なさでのんびりしようとしてたら、蒼井のやつがやっぱ暇だしと言ってレイダさんを巻き込んで連れて行き、それを見て心配になったからと言ってアカネが追いかけた。

自由行動がいいならという事でルナが絵を描きに行って、それにシアとユキノが同行。

気づけば俺とセフィアとリリンとルリエだけになっていた。


「なんか、急に静かになりましたね。」

「そうだな。なんか、色々言ってランさんに対して申し訳なくなって遊ぶ気が無くなっちゃったんだよね。だからのんびりしたかったんだけど。」

「まあいいじゃない。というか、既にのんびりしてるじゃない。」


俺は現在、ルリエに膝枕してもらってます。


「ん。次は私。」

「まだ私の番ですよ。」


確かにのんびりしてるけど………シア達まで行くんだもんな〜。

それにさっきまでの騒がしさがあったから余計に寂しさがあるんだよ。

だからやるせなさというか……まあ、不貞腐れてるだけなのだが。


「アポー剥けたよ。はい、あーん。」

「あーん。」


アポー美味しい。


「それで、のんびりするって何したかったの?」

「いやー、特に決めて無かったんだけどね。でも、5日も依頼に出るからさ、のんびりした時間が欲しいなって思ったんだよ。後ルリエ達と遊びに行きたい。」

「そっか。確かにね。じゃあ、明日遊びに行こうよ。顔合わせは明後日だし明日は時間があるからさ。」

「ん。どこ行く?」

「私カジノに行ってみたいです。確か、お兄さん達は前に行ったことあるって言ってましたよね。それ聞いてちょっと行ってみたいって思ってたんですよ。」

「カジノ……行こう。」

「カジノか。いいな。まあ、そこまで大金とか賭けたりしないけどな。いくら恐竜のお金が沢山入ったからってカジノでスったとか笑えないからね。」

「ふふっ。そうですね。」

「そうなった時にはリリンに頑張ってもらおっか。」

「私?」

「そうだな。前に行った時もリリンが一番だったからな。それにみんなで遊ぶ時もなんだかんだでリリンが勝つことって多いしな。」

「むぅ。ハードル上げ過ぎ。」

「ごめんごめん。」


ちょっと顔をしかめるリリン。

そんな顔をかわいいと思うのは惚れた弱みというやつなのだろうか。


「それより、交代の時間。」

「あ、もうそんな時間ですか。」


リリンの催促で枕の変更。

される側としては嬉しいのだが、やるのってそんなに嬉しいのかな。


「ねぇ、後で俺にも膝枕させてよ。」

「!? いいの!?」

「お、おう。」

「だれからいく?」

「ここはやっぱり、アレでしょう。」

「アレだね。じゃあ、いくよ。」

「「「じゃーんけーん! ポン!」」」


あや?

なんかじゃんけんが始まったよ。

そして勝ったのはセフィア。

リリンが負けたか。

勝負強いリリンが負けるのは珍しいな。

ま、順番を決めるだけだからリリンにもするんだけどね。

リリンの膝枕タイムが終わったので俺がセフィアに膝枕をする時間になった。


「じゃ、じゃ、いくよ。」

「うん。」

「うわー。される側ってこんな感じなんだ。ちょっと固いんだね。」

「すまん。男なもので。」

「いや、別に悪いわけじゃないよ。ただ、新鮮で。それに、こうして下からレントの顔を見るのってそうそうないから、それもちょっといいなって。」

「そ、そうか。」


うずうず。

こんな近くにセフィアの頭がある。

すっげー撫でたい。

というか撫でよう。


「ふわっ!」

「ごめん。嫌だったか?」

「全然嫌じゃないよ! むしろ、もっとして欲しいというか……。」

「じゃ、じゃあ、続けるぞ。」

「う、うん。ふわぁ〜。」


うん。

膝枕、いいもんだな。

こうして触れ合えるし、大切な人をすごく近くに感じることができる。

みんながやりたがる気持ちも理解できるな。

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