第448話 頑張れ青年。的なお話
「あの、着替え終わりました。」
「分かった。」
レミナさんが着替え終わったそうなのでセフィアが囲いを解除した。
「あの、ありがとうございました。それで、なんでここまでしてくれたんですか?」
「見てて可哀想だったからだよ。スライムって女の敵なところあるでしょ。それの粘液が付きっぱなしはちょっと可哀想かなって思ってね。」
「そうだったんですか。ありがとうございます。」
「気にしないで。服は後でギルドかレイランって宿に預けてくれればいいから。」
「分かりました。あの、所で、その2人はレントさんの仲間の人でしょうか?」
「あ、うん。2人ともBランクでこっちの子がセフィア。で、こっちがリリン。2人とも俺の嫁さん。」
「嫁って事は結婚してる!? ははは……そっかぁ、そうだよね。こんなにかっこいいんだもん。お嫁さんの1人や2人、いるよね。それに、あんなにかわいいなんて、勝てっこないよ……」
悪いことしたかな? …………なんて、思わない。
この世界は一夫多妻だ。
それなのに簡単に諦めるのなら所詮はその程度の想い。
それにまだ知り合ったばっかでちょっといいなというレベルだろう。
なら、謝ることも、振るなんて事もするべきじゃない。
そんなことをすれば、レミナさんが余計惨めになるだけだ。
だから俺がすべきなのは、このまま何もなかったかのように、普通に接して狩猟大会に復帰させるだけだ。
「と、どうやらお仲間が戻ってきたみたいだな。ここに戻ってくるのはレミナさん達が最初だったからもしかしたら優勝できるかもね。頑張ってね。応援してるよ。」
「は、はい! 頑張ります!」
仲間の2人と合流してレミナさんが森の中に戻っていく。
「あの人、もう結婚してるって……」
「え!? そうなの!? ちょっといいなって思ったんだけど……そりゃそうだよね。」
「あの、俺なんて、どうかな?」
「「あんたは論外!」」
「デスヨネー。」
そういう話は俺から見えない所でして欲しい。
レミナさんは少々ガックリしてるがもう1人はそうでもないな。
それはそれとして、頑張れ青年。
「あの子はないかな。」
「ん。ない。」
セフィアさん、リリンさん?
なんとなく分かってるけど、何を言っているのかな?
そしてセフィアとリリンは調理へと戻っていった。
俺も仕事に戻るか。
警備をしているとぽつぽつと冒険者がやってくる。
アイテムボックスやアイテムバッグを持っていない連中だ。
アイテムバッグは結構高価だからそれは仕方ないのかもだけど、アイテムボックスって結構レアなスキルなんだな。
俺と蒼井は特殊だから抜いて考えれば8分の1だしそこそこレアなのかな。
最初のレミナさん達が来てから1時間くらい経った頃にお昼が出来たと呼びに行く。
………なんじゃそりゃ!
いや、確かにそんな事も言ってたよ。
伝令もやってもらうって。
でも、最初の伝令がご飯できたとかそりゃないよ!
「お、やっと昼飯か。分かった。それじゃとりあえず、俺とアンネ、後は………おーい、ナタリア、それとルキノ飯だってよ!」
「4人だけですか?」
「ああ。流石に見張り全員が飯を食うわけにはいかないからな。だから交代で食うってわけだ。普通そうじゃねぇのか?」
「いや、ウチは気配察知持ちが3人いるんで全員で食ってますよ。」
「3人!? 多くねぇか!? ……ウチのリタも一応、気配察知は覚えてるんだが、今ここに居ねぇんだよな。あいつは農地の方の斥候だからな。天装のも出てるだろうしな。」
「なるほど。」
「つーわけでとりあえず俺達が先に食わせてもらうわ。」
12時よりちょい早いが、朝早かったし俺も食いたいな。
早く許可でないかな。
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