第393話 まるで成金的なお話
街から離れた街道でアデラードさんからの手紙を読む。
林の中だと魔物に襲われるかもだからな。
しかし、手紙というとシン◯ォギアを思い出すな。
続編とかやるのかな?
そう考えたらすごく気になって来たよ。
今度何とかして見れないかアリシアさんに相談しようかな?
それは置いといて、今はアデラードさんの手紙だ。
一通り目を通したらみんなにも見せる。
内容だが、要は訓練メニューだな。
朝晩の魔力操作の訓練は当然として、指輪を使った際の注意点や依頼を受けた際の戦い方、依頼を受けてない時の訓練の仕方が書かれている。
注意点はステータスが低下するから全てつけると思わぬミスから大怪我を負う可能性があるためまずはATKのみ下げてやるのがオススメとのこと。
理由は武器と攻撃力を下げるだけなので体の動かし方は普段と変わらず、防御力も下がらないので身の安全の確保ができ、攻撃力が下がっているため相手をよく観察して攻撃の兆候を察知する機会を多く得られるからだそうだ。
あと急所や隙を見つける訓練にもなるそうだ。
依頼の際の戦い方はそれらを意識することと、出来るだけ攻撃回数を減らせるようにすることと書いてある。
相手の動きや急所、隙を見抜く目を養うためとのこと。
依頼を受けてない時の訓練は徒手空拳の訓練をしろと書いてある。
武器を失った時でも戦える方がいいが昨日の剣と徒手空拳の混合技の時の動きが全然なっていなかった事から必要だと感じたと書いてある。
確かに必要最低限身を守れるように素手でも戦えるようになってるほうがいいと思うけど、どうやって練習すんの?
おれ、心得とか全然ないよ。
せいぜい漫画とかで読んだ程度だよ。
とりあえず、正拳突きの練習でもしておくか。
確か背中ごしに両手が滑車でつながっているイメージで左右の手を連動するんだっけ?
まあ、依頼をずっとやってれば問題ないとは思うけどね。
「ステータスを下げる指輪ってどんなの?」
「ああ、これだな。今右手の人差し指につけてるやつ。」
「へー。これが……でも、なんかいっぱいついててちょっと、趣味悪い感じするね。」
「言わないでくれ……おれもそう思ってるから。」
全部つけてるからすごいゴツゴツしてる。
まるで成金のようで好きじゃないんだよな。
最初は全部つけないといけないと思ってたけど、ATKのみ下げるとのことなのでそれ以外を外す。
まあ、それでも指輪は4つつけてるんだけどね。
婚約の時の共鳴の指輪にお手製結婚指輪、攻半の指輪、そしてセフィアから貰った防御力がちょっとだけ上がるやつ。
「あ、それって……」
「うん。ずっと前にセフィアから貰ったやつだよ。」
「ずっとつけててくれて嬉しいよ。」
「いや、セフィアもつけてるじゃん。俺も、嬉しいよ。」
「レント……」
「レント。私も。」
「うん。リリンもつけててくれありがとな。」
「ん。」
「ゴホッ、ゴホッ。んっんん。あー、そういう事は宿に帰ってからにしてくれないか。ここは街道とはいえ、すでに街の外なのだ。何が起こるかわからないのだからそんなでは困るぞ。」
「あ、すまん。」
「ごめんね。」
「ん。」
「いや、分かればいいのだ。」
またやってしまった。
時々周りのことを考えずにイチャイチャしちゃうんだよね。
でも、みんながかわいいんだからしょうがないと思います。
だからユキノにはこれからも頑張ってもらおう。
「じゃ、じゃあ、そういうわけなんでそろそろ行こうか。」
「そうだね。」
そうしてガサガサと林の中に入っていくとまずはゴブさんのご登場。
訓練の為という事は事前に説明してあるので俺が出るが、さすがにゴブさんでは訓練にはならず一撃で沈める。
しかし、普段使っているウルなんとかの剣が凄すぎるせいか、普通の鉄の剣だと首スポーンさせる時に抵抗を感じた。
これが普通なんだろう。
この感覚を覚える事なくスパッと斬るのが技術という事で、抵抗を感じている俺はまだまだだという事だろう。
頑張らないと。
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