第384話 ちゃんと聞こえたよ。的なお話
リリン達の気配察知に引っかからなかった理由が気になるが、とにかく、これで依頼終り……ってあれ? なんな事前に聞いていた情報よりも少し小さいような………もしかして……
ーアサシンスネークの死体ー
アサシンスネークの亡骸。
今回は輪切りにされてる。
アイテム鑑定によってこいつはアサシンスネークとかいう別物らしい。
というか、今回は輪切りにされてるって……
しかし、アサシンって事はそういう事か。
リリン達の気配察知に引っかからなかったのは気配遮断とか隠密とかそういう隠形系のスキルを持っているって事かな。
恐らくアデラードさんもそういうのがあってそれで気配察知に引っかからなかった、と。
なんか、怖いな。
こういうのの定番だと察知系のスキルよりレベルが高いと効果を発揮するとかだからリリン達にはもう少し気配察知のレベルを上げてもらった方がいいかな。
「みんな、どうやらこいつはアサシンスネークっていう別の魔物のようだ。」
「えー! って事はまた探さないといけないって事ー?」
「そうなるな。だってこれ違うし。」
蒼井が不満の声を上げるがこればっかりは運なのでどうしようもない。
それとは別に気配察知の事も伝えとこう。
「それで、こいつの事は気配察知で分かってた?」
「え、あ! そういえば全然分からなかった!」
「リリンは?」
「……分からなかった。」
ユキノは? と聞こうと思ってそちらの方を少し見たが、よくよく考えたらユキノの気配察知は覚えたばっかりだから分かるわけないかと思いリリンと蒼井に向き合う。
「私は!?」
「いや、だってどうせ分からないだろうし。」
「うぐっ! そ、それはそうだが……(しかし仲間ならばそこは聞くべきだろう!)」
「ん? 何か言ったか?」
「なんでもないわ!」
確かに聞くべきだろうけど、そこはちょっとしたイタズラ?
あ、ちなみに小声だったけどちゃんと聞こえたよ。
わざととぼけてみたけど、予想通りの反応がおもろい。
「で、このアサシンスネークなんだけど、多分気配を消すとか察知系のスキルに見つからなくするスキルとか持ってると思う。今後もこういう的に出会わないとも限らないし気配察知のレベル上げを3人にはしてもらおうと思うけど、いいかな?」
「まあ、不意打ちで襲われるよりはマシだしね。」
「分かった。」
「了解した。」
願わくばアデラードさんの事が分かるようになるといいな。
心の準備がしたいし……
◇
「どう?」
「駄目。こいつもアサシンスネークだ。」
「またー? これで何匹目よ?」
「28匹目。」
「もう5時になるし、そろそろ帰った方がいいんじゃない?」
「あー。仕方ない。今日はこれで帰るか。」
「しょうがないかー。」
「みんなごめんね。僕がこの依頼を選んだばっかりに……」
「セフィアのせいじゃないよ。こればっかりは運な訳だし、明日またがんばればいいよ。」
「蒼井の言う通りだ。それと明日はもう少し情報を集めてから頑張ろう。」
「うん。」
ターゲットの魔物と遭遇できず、日も暮れはじめてるしで、仕方なく宿に帰る。
漫画やアニメならばこういう時に出てくるんだろうが、やはり現実はそう上手くいかないようで、出てきたのは黒いバッタのブラックホッパーだ。
名前は似てるけど黒胡椒とは関係ない。
さて、やる……
「アイスケージ!」
やるか、と思っていたら突然黒バッタが氷の檻に捕らえられる。
そしてそのまま蒼井が……
「ブレイク。」
その文言に合わせて檻が爆散しキラキラと陽光を反射させているが、その奥には氷の破片が至る所に突き刺さり息絶えているバッタがいる。
エグい……
「あー、スッキリした!」
どうやらイービルサーペントを見つけられなくてイラついており、その八つ当たりをしたようだ。
バッタさん……ご愁傷様です。
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