第367話 ついに巡り会えたよ! 的なお話

ここにくるまで休みなしだったのでここいらで少し休憩する。

時間は30分くらいでいいかな?

みんなの様子を見て延ばすかもだけど。

ついでに人避けの結界柱をプスっとやっとこう。

これをしとけばあのチャラい奴らも近づいてはこれまい。


「そこまでする?」

「嫁とのまったりタイムを邪魔されたくないからな!」


アカネが聞いてきたから理由を説明する。

嫁以上に優先すべきことなんか存在しないからな。


結界柱をプスっとやった後は軽食やフルーツ、茶器などを出してまったりのんびりとやる準備をする。

今回は爪楊枝は作らないぞ。


「はい、レント。」

「サンキュー、セフィア。」


セフィアが淹れてくれた紅茶を受け取り一口飲む。

あぁ〜、美味い。

しかもこれ、探索していたからいきなり熱いのではなく少しぬるめにしてあるし砂糖も多めに入っていて疲労回復できるようにしてある。

流石は俺の嫁。

みんなに紅茶を配り終えたセフィアは俺の横にストっと腰を下ろす。

腕が触れるか触れないかという位置が絶妙だ。

多分こっちにくる前だったらドキドキと緊張してただろうが嫁に貰っている今はむしろ落ち着く。


「どうかな、レント?」

「うん、美味いよ。流石セフィア。」

「ほんと? 良かったぁ。」


かっわい!

前言撤回。

今もセフィアの満面の笑みにはドキドキさせられる。

その気恥ずかしさから紅茶を口に運ぶ。

漫画とかだと舌を火傷したりするんだろうけどセフィアの気遣いのお陰でそんな事は起きない。

やっぱりよく出来た嫁だ。


「はい、セフィア。」

「ありがと、レント。」


お返しとばかりにフルーツサンドを渡す。

セフィアの好物だ。

その後は言葉数少なにのんびりと過ごすが、それが不快ではなく心地いい。

と、思っているとリリンが隣に座ってきた。

羨ましかったのかな?

もしそうなら嬉しいな。



「さて、それじゃ探索を再開しようか。」


後片付けを済ませ、結界柱も回収してから探索を再開する。

五階層だが、まだまだ余裕でやっぱり出番がない。

オークやコボルトなんかと遭遇しているっぽいがそいつらはみんなリリンやレイダさんがサクッと倒してしまい、やっぱり暇だ。

このままだとレイダさんにLVで追いつかれそう。

いや、それはないよね。

だって元々の差があるし恩恵の経験値増加があるし………でもリリンとは離れてしまうかも。

だって戦闘に参加してないし。

もうちょい下の階層に行くようになったら俺も戦うようにしよう。


途中で小休止を挟みつつ探索をしていると宝箱を発見する。

しかもリリン、蒼井から生き物の気配を感じるとのお言葉も。

つまりはミミックだ!

ついに巡り会えたよ!

フランも既に何処かに転移しているから出会うこともないからこいつは間違いなくミミックだ。

だから嬉々として近づく俺達だが、シアとユキノから待ったの声がかかる。


「ちょっ、それ宝箱じゃないんでしょ? なのになんで近づいてるのよ!?」

「どう考えてもそれは魔物だろうが!」


そんな事は百も承知です。


「だから近づいてるんだが? な?」

「うん。」

「わくわく。」

「なんでそうなるのよ!?」


何やらシアが騒いでいるが関係なしと宝箱に近づき開ける。

正面からだといきなり襲われるかもしれないから側面から開ける。


「キシャーー!」


「「「「「おーー!!」」」」」

「…………なんでそこでおーー!!なのよ……」


現れたミミックは蓋のところに目が現れ、縁のところに歯が、中から舌が出てくるというイメージ通りのミミックだった。

おーー!! と言ってしまうのも仕方がないだろう。

これをテイムした場合どうなるのかという疑問があるが、あいにくとテイムする方法を知らない。

なので、少々勿体無い気がするがしばらく観察した後にウルなんとかの剣で串刺しにして倒す。

ドロップアイテムと魔石を落とした。

ドロップアイテムは装飾が施された宝石箱だった。

結構綺麗だな。


「売るのはなんか勿体無いし貰っていいかな?」


みんなに確認をとるが、蒼井以外は構わないとのこと。

その蒼井も次に出たら蒼井の物にしていいという条件で折れてくれた。

やった。

今度からこいつに自作のアクセサリーを仕舞おう。

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