第356話 ポジティブに考えるんだ。的なお話
「ね、ねぇ。本当にみんなで行くの?」
「シアは嫌なのか?」
「い、嫌ってわけじゃないけど、その、恥ずかしいじゃない……」
何この子!?
かわいい!
「シアちゃんかわいい! ね、レントもそう思うよね?」
「ああ。もう、最高だ!」
「馬鹿っ!」
馬鹿と言われたが、そう言うシアもかわいい。
「早く行こう。」
「ちょっ、リリン! 押さないで! 分かったから。行くから。だから押さないで〜!」
早く行きたいリリンがごねるシアを押しながら歩き出す。
そしてそれに続くように歩き出すセフィアにルリエ。
それとルナは……………って隅っこに隠れてる!?
なんで!?
「ちょっ、どうしたんだルナ!? どこか具合でも悪いのか!?」
「やっぱり、恥ずかしい……」
「えと、あまり無理強いはしたくないし、無理そうなら宿で休んでるか?」
「(ふるふる)でも、私も、デート、したい。」
「うーん。どうしたもんか…」
「レント、ルナ。早く行こうよ!」
「よし。みんな待ってるし、早く行こう!」
「レント、手…」
「周りの目が気になるならずっと手を繋いでるからさ。みんなと一緒がいいんだろう?」
「う、うん。ありがと、レント。」
手を繋いでいる俺とルナを見てセフィア達がずるいと言い出すがその隙をついてリリンがちゃっかりと反対の手を握る。
両手に花で更に3人もいるというのはすごいと改めて実感したよ。
でも、手を繋いでいる2人が小さいからロリコンと思われたりしないかな……?
リリンは同い年だしルナだってそんなに歳離れてないし、大丈夫だ。
大丈夫……だよな?
◇
最初に訪れたのはアクセサリー商。
だが、ここは普通のアクセサリー商ではない。
ダンジョンで出土した品をメインに扱っているのだ。
「うわぁ〜、このデザインエグいな。」
最初に見えたのが腕輪だったのだが、死神が人の首を刈る瞬間が彫られている。
その癖効果が斬撃耐性を上げるというのだからなんともいえない感覚を覚えてしまうな。
値段は………げっ!
50万!?
高っ!
確かに効果はいいがそれでもこの見た目は着けるのを躊躇ってしまうな。
と、こんなのよりも嫁達に合うのを選ばないと。
出来れば仕事の時に使える効果がついてるのがいいんだが……おっ!
これなんていいんじゃないか。
毒耐性の上がる効果があり、あれは……アメジストかな?
紫の宝石が付いた指輪………………って、あーーー!!!
まだ2人の指輪用意してないじゃん!
こないだ作る機会あったのに何やってんだよ俺ー!
いやポジティブに考えるんだ。
こうして気づけたんだからまだ遅くはない。
それにここで色々な指輪を見ることで参考にできる。
うん。
俺は別に忘れてたわけじゃない。
ただちゃんとしたものを作るために時間を必要としているだけなんだ。
とりあえず、これを2つ買っとこう。
セフィア達のは別のにしないとな。
毒耐性なら恩恵があるから別の……ステータスアップ系かな?
うーん。
3人には生存率が上がるように防御系の方がいいかな。
腕輪はあるし、指輪も……髪飾りも………どうしよう?
着けるところ残ってなくない?
いや、何かあるはずだ!
探せ。
この店の商品を探せばきっとあるはずだ。
◇
確かに、つけれるものはあった。
ティアラとか、ネックレスとかな。
でも、デザインが気に入らなかったり、高かったりでどうしようもなかった。
2人だけにっていうのもどうかと思うし、この指輪どうしよう……
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