第350話 使えない武器的なお話

「昨日はお祝いを出来なかったので今夜します!」

「はい?」

「ほら。昨日は結局あのまま夕食を食べちゃって祝えなかったじゃん。だから今日やろうかなって。」

「ああ、そう言うこと。いいんじゃないかな。」


昨日はあのままずっと堅牢の斧と一緒だったからな。

そんな悪い人達じゃなかったし別に何か悪いとかはないんだけどその所為でお祝いができなかったんだよな。

だから改めて今日やる。

昨日は感情がお祝いモードだったのに出来なかったから消化不良なんだよ。


「じゃあ、ユキノ達に伝えて来る。」

「うん。いってらっしゃい。」



ユキノ達にお祝いをすると伝えた。

伝えたはいいんだけど、いつ、どこで、何を、ということを全く考えてなかった。

これでは何も出来やしない。

だからみんなを連れて俺たちの部屋に誘った。


「で、何をするというのだ?」

「うーん。そうだな。やっぱりどこかで美味しいものを食べるのがいいと思うんだけど、みんなはどうかな?」

「いいと思うよ。」

「ちょっと待て! 私は、その手持ちがその……」

「ああ、そういえば。でも、加入のお祝いだし別にそのくらいは俺が払うけど。」

「いや、それでは意味がないだろう。恩を返してる最中に更に借りを作るのてば意味がない。」

「まあまあ。こういう時くらい素直に受けときなさいよ。」

「しかし……」

「じゃ、そういうことで。で、どこで食べる? シア、どっかいいところ知らない?」

「えー。そう言われても………あ、あそこなら。」

「どこか心当たりあるのか?」

「ええ。ここに着いたばかりの頃に景気付けにって入った所があるの。」

「へぇ。じゃあそこで。時間はどうする?」

「んー。6時半にはお店に行っといたほうがいいから6時くらいにはここを出たいかな。」

「そっか。じゃあそれまで時間があるな。確かシアって短剣持ってたよな?」

「持ってるけど、それがどうしたの?」

「時間あるしメンテしとこうかなって。」

「お店に出しててくれるの?」

「ん? 俺がやるけど?」

「はい?」

「いやだから、俺がやるって言ってるんだけど。」

「ちょっと待って、どういう事?」

「いや、俺鍛治出来るし。一応簡単なものなら作れるぞ。ほら。」


そう言って取り出したるは例の鍛治修行で作成した日本刀。

その中でも出来のいいやつ。


「これをレントが?」

「そうだけど。まあ、教わりながらだけどね。」

「へぇ〜。でもこれって刀だよね。あんまり使えない武器だけどどうしてこれを作ったの?」

「はい? 使えないってどういう事?」

「え? 知らないの? この刀って武器は勇者が伝えたんだけど製法が不完全だから斬れ味はいいけど脆くてまともに使える人はほとんどいなくて勇者に憧れる新人冒険者が挑んでは諦めてるって話よ。」

「マジで?」

「マジよ。」

「まあ、こいつは大丈夫だよ。」

「なんで…………って、なるほど。あの人ね。」

「まあ、そゆこと。」


あの人が関わってるとシアも分かったみたいだな。

まあ、唯一知らないユキノは頭にハテナを浮かべてるけど。


「まあ、そういうわけなんでメンテするよ。あ、ユキノも武器出して。そっちもやっとくから。」

「あ、ああ。」


ユキノの武器も受け取り他のみんなのも受け取ろうとしたがレイダさんが依頼を受けると言い出した。

いやいや。

なんでこんな日まで!?

そしてアカネと蒼井がそれに付き合わされることに。

どんまい、としか言えないな。


とりあえず、セフィアとリリン、ルリエの分を受け取ってメンテをするために庭を借りた。


さて、頑張るぞー。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る