第346話 いっちゃったね〜。的なお話

ユキノが正式に仲間になったが、それで何かが変わるわけでもない。

ユキノ達が病み上がりなのは変えようのない事実なので今日は軽くできる仕事だけにするつもりだ。

トライデントボア、クリムゾンベア、ロックディアーの猪、熊、鹿の食肉三種だ。

終わったらジビエ鍋でパーティーもありかも。

あれ?

そういえば猪や熊、鹿ってジビエに入るのかな?

それに健康になったとはいえ病み上がりの人に獣肉って食べさせていいのだろうか?

まあ、ヤバそうな日を改めればいいか。


そして街の外に出てガサガサと林の中に入ってターゲットの捜索をする。

相変わらず魔物が多く、足止めを食らうのがめんどくさい。

ダンジョンの魔物が溢れる前に外の魔物で滅ぶんじゃね?

そう思わずにはいられない。


そんな魔物どもを斬り伏せていく。

ズバズバ、ズバババンってね。

病み上がり連中にこれだけの数を相手させるのは流石に良くないと思う。

だから風邪を引かなかった俺、セフィア、リリン、ルリエ、蒼井で倒していく。

適度に間引いたらユキノ達病み上がり連中に慣らし運転を兼ねて討伐対象と戦ってもらう。


まずはクマさん。

レイダさんとアカネが前に出て倒してる。

あれ?

2人だけで倒しちゃったよ。

後衛2人に遊撃のユキノの出番がないな。

次に猪。

こいつはシアがストトッて矢を射って動きを阻害して隙が出来たところをルナの闇魔法がスパッと真っ二つにしてる。

何それ、かっこいい!

黒い斬撃が飛んでるんだもの。

BL◯ACHの黒い◯牙を彷彿とさせるね。

最後は鹿だ。

こいつは土魔法を使って来るし力も強くそれでいて素早い。

今までに戦ってきたCランクの魔物の中では上の方だと思う。

こいつは流石に2人でというわけにはいか…………いっちゃったね〜。

ユキノがサッと近づきスパッやって注意がユキノに向けば即座にシアが矢を射っていき、シアに注意が向けばユキノが再びサクッと行く。

それを繰り返してあっという間に倒してしまった。

気を使って間引きとかしたけど必要なかったかな?

というか、やっぱり強いなシア達。


「お疲れ様……ってほどでもないかな? 余裕そうだったね。」

「まあ、これまで楽させてもらったからね。そのお陰で疲労もない状態で戦えたから。」

「そう言ってもらえるとこっちとしてもやって良かったって思えるよ。みんながあんまり楽に倒すもんだから必要あったのかなって思っちゃったからさ。」

「そう。ちゃんと助かったわよ。ありがとね、旦那様。」

「だ、旦那様!?」

「……あー、無理! やっぱり恥ずかしい。」


急にシアが旦那様呼ばわりしたから驚いたわ、むず痒かったわで動揺したが、言った本人も恥ずがしがっている。

なら何で言ったよ!


「ちょっとからかうつもりだったけど、恥ずかしいわね、これ。今まで通りレント呼びにするわ……」

「頼む。こっちも落ち着かないから。」


うぅ。

今顔が赤くなってると思う。

恥ずかしい。


「そういう事は宿でやれ! ここは魔物が出るのにいちゃついている場合か!」


ユキノに怒られてしまった。

でも、ユキノの顔が赤くなってる。

そういうの免疫ないのな。

こんなのまだまだ序の口なのに……将来苦労しそうだな、ユキノの恋人になる人。


「ユキノの言うことも一理あると思うな。そろそろお昼ご飯の時間だし場所を移動しようか? あ、後で僕達にも構ってね、レント。」

「ん。」

「そうですね。」

「お、お願い、します。」


セフィアにお昼時だから移動しようと言われた。

ここら辺は血みどろだから異論はない。

ないけど、後の言葉のほうが重要だな。

だって俺は3人の旦那さんでルナの恋人なんだから。

あ、もちろんシアとも仲良くするよ。

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