第339話 ガチなパターンでした。的なお話
殺菌を終えて一休みしようと思ったらリリンから魔物が集まってきたとの報告を受ける。
まあ、あんだけ派手にやれば集まってくるよね。
アリシアさんからもらった魔道具を使ってれば良かったよ。
あれ、中の音を遮るから。
「だから普通に戦えば良かったのだ!」
「オークを滅殺しないという選択肢はない!」
「堂々と宣言すればいいというものではないだろう!」
ユキノがツッコんだ。
「くる。」
リリンの報せにより、頭を戦闘モードに切り替える。
少しして現れた魔物は待望のリザードマンの群れだった。
ラッキー。
「納品依頼だから損傷は少なくしろよ!」
「分かってる。」
ユキノが暗に普通に戦えと言ってきた。
オークじゃないから滅殺なんてしないのに………失礼しちゃうな、もう。
流石にユキノ1人に戦わせるのは忍びないし危ないので、シアとルナ、そして俺が一緒に戦う。
他のみんなは周辺警戒及び見学。
リザードマンの主な武器は牙と爪、そして強靭な尻尾だ。
牙は簡単に骨を砕き、爪は軽鎧程度ならアッサリと切り裂き、尻尾は大の大人を簡単に吹き飛ばす事が出来るらしい。
らしいんだが………アリシアさんのくれた剣が凄すぎて簡単に首が飛ぶもんだからそこまでの脅威を感じた事がない。
…………ちょっとまずいな。
このままだと俺個人の技量が上がらなくなりそう。
ゴリ押しで勝てるのは格下のみで実力が均衡、あるいは格上の相手には勝てなくなりそうだ。
今度リリン達と模擬戦でもしよう。
うん。
それがいい。
ちょっとだけ余計なことを考えてしまったが問題ないだろう。
俺の仕事は間引きと足止めだ………多分。
「ほいっと。」
これで2体目撃破。
シアとルナも矢と魔法でそれぞれ2体倒している。
そしてユキノが相手をしているのが3体だ。
ユキノは手裏剣を放ち分断したら鎖鎌を取り出してそれを右のリザードマンに投げつけて首に巻きつける。
その際に鎌の部分が首にブスッと刺さりリザードマンが悲鳴をあげた後に絶命した。
その悲鳴を聞いたリザードマンらがそちらを向いた隙に投げ分銅を左のリザードマンに巻きつけ、接近しつつその鎖を引いて体制を崩させて忍者刀の様なもので首を刎ねた。
と、そこで残ったリザードマンがユキノに爪を振り下ろすが丸太と入れ替わり、そのすぐ後にリザードマンの後ろに回り込み手に持っている忍者刀の様なもので喉を斬り裂いて倒してた。
イロモノかと思ったら結構ガチなパターンでした。
ん?
俺とシアとルナが2体で、ユキノが3体合計で9体……………1体足りないじゃん!
全然ラッキーじゃなかったよ。
むしろ残念感がある分アンラッキーかも。
「全然問題なさそうね。」
「そのようだな。しかし、2人を庇いつつ自身も2体も倒すとは……レントは本当に強かったのだな。」
「だから言ったでしょ。」
「そう言うユキノも凄いな。それだけの実力があってなんで敗走する事になったんだ?」
「いや、私の戦い方は機動力がウリだからな。ダンジョンという狭いところな上に数えるのもバカらしい程のオークに襲われれば満足に戦えるはずもなく、そのまま2人と分断され撤退せざるをえなかったのだ。」
「なるほど………敵が少なければまだなんとかなったということか。」
「うむ。」
「そっか。それで体調とかは特に問題はないんだな。」
「ああ。体のキレも問題なかった。」
「じゃあ、午後からは残りのリザードマンを探しつつ連携の確認をしよう。」
「午後?」
「もうお昼だぞ。それに動きっぱなしだから少しは休んだ方がいいだろ。」
というわけでお昼ご飯だ。
ここは開けているが地面は焼け焦げ、穴だらけでおまけに血みどろだ。
とてもじゃないが食事に向いた場所ではない。
なのでまずは場所移動。
その道すがら薪用の枯れ木などを回収して適当に歩くと川のせせらぎが聞こえてきた。
その音のするところに向かうとお昼を食べるにはちょうど良さそうな場所に出た。
「ここにしよっか。」
「そうだね。レント。」
「おう。何がいる?」
「えっとね〜、スープと野菜炒めを作りたいからにんじんと玉ねぎと……」
セフィアが言っていく食材を調理道具や食器と一緒に出していく。
一通り出し終えたら後はのんびりと釣りをする。
だって、薪ももうあるしすることないんだもん。
周辺警戒もリリンや蒼井がいるから俺は必要ないし。
餌は………あ、小さい虫いた。
こいつにしよう。
こいつをセットして……
「レント、ご飯出来たよ〜。」
「早っ!」
えーと、良かったな、虫。
針に刺す前で。
流石に虫を触った手で食べる気にはなれないのでリリンの水魔法で手を洗ってからご飯をいただきました。
相変わらず美味しかったです。
ユキノも舌鼓を打ち賞賛してました。
自慢の嫁ですから!
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