第308話 パーティ名的なお話
朝食を済ませ、ギルドへと向かう。
目的は昨日話し合った通りシアとルナの情報と買取だ。
場所に関しては宿の子、レイランに聞いている。
後、宿の名前は恥ずかしいそうだ。
当然だな。
まずは買取。
街道に出てくる魔物は基本的に弱い。
つまりそれだけ簡単に狩れるということで魔物1匹の単価が低い。
しかも冒険者がいっぱいいる迷宮都市へと向かう道をだった為に魔物の数も少なかった。
その為買取額がかなり少ない。
まあ、こっちはついでだし少なくても問題はないな。
買取も済んだので次は情報収集だ。
「アレクシアさんとエルナさんですか?」
「はい。友人なんですけど、2人もこっちに来てると聞いたのでどうしてるかなって思いまして。」
「そうなんですか。ところで、当ギルドの規則をご存知でしょうか?」
「? 他のギルドと違うんですか?」
「はい。ここは迷宮都市ですから他の冒険者ギルドにはない規則があるのです。まず、冒険者はダンジョンに入る為の許可証が必要です。こちらはギルドカードとは別の扱いとなっており、そのランクによって受けられるダンジョン依頼が決まっております。そしてもう一つ。それはダンジョン探索予定表の提出です。こちらは何日潜るかの予定を書くものです。しかし、予定通りに行くとは限らないので余剰日も書き込むようになっており、その余剰日を超えるまでは誰にも伝えてはならないと決められているのです。これは殺して戦利品を奪われないようにという配慮のもとに定められているのでお教えすることはできないのです。」
「そう……なんですか。じゃ、じゃあ、せめて彼女達がこの街に来てるかは教えてもらえませんか?」
「すみません。それもお答え出来ません。」
「そうですか……、では、俺達の許可証を発行してください。とりあえずの探索予定表は日帰りで余剰日は1日で。」
「分かりました。でも探し人の方はいいのですか?」
「はい。規則ならどうしようもありませんから。それにここにはダンジョン目当てで来ましたから。」
「なるほど。分かりました。ではギルドカードを見せてください。」
「分かりました。」
そうして各自ギルドカードを渡すと受付嬢は奥に引っ込んで何かしらの作業を行う。
それをしばらく待って戻ってきたら、何やら金属質のプレートのような物を持ってきた。
あれが許可証か?
証というから紙のようなものを想像していたが違ったな。
「こちらが探索許可証です。そしてこちらが探索予定表で探索予定を書き込んでください。」
「はい。分かりました。」
受付カウンターから取り出した紙に予定を書いていく。
えーと、探索予定日数は日帰りで人数は7人。
余剰日は1日で……捜索希望?
「この捜索希望って何ですか?」
「それは余剰日を超えても帰還しなかった場合に捜索を希望するかという事です。捜索希望の場合は丸で囲って下さい。但しその場合に掛かる費用の半分は事前に預からせて貰います。捜索が必要なかった場合は返却しますが、捜索して無事に発見した場合は残りの半分を払っていただきます。ですが、殆どの方は希望されるんですけどね。」
「なるほど。」
日帰りだし必要ないかな。
でも、どうせ返って来るんだし希望でいいか。
最後に……パーティ名?
そういえばまだ未定だったな。
どうしよう?
何か無いかな…………ん?
そうだ。
「パーティ名を書く必要があるんだけど、こんなのでいいか?」
「? ちょっと見せて。」
そこには紅玉の絆(ルビーリンク)と書いた。
俺作の全員共通のアクセサリーに使われているのがルビーだから。
それがある意味パーティの証みたいになっているからその繋がりでルビーリンク。
「うん。いいんじゃないかな。紅玉の絆ってちょっとかっこいいし。」
セフィアは賛成のようだ。
そしてみんなからも特に反対意見は無いしこれで決まった。
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