第278話 三週間経ってる的なお話
アベルさん達黄昏の獅子の打ち上げに参加してから一週間。
その間にも色々あった。
鍛冶修行したりセフィア達が馬車の注文に行ったり鍛冶修行したり鍛冶修行の合間に防具店に行ったり鍛冶修行したり鍛冶修行したり鍛冶修行したり鍛冶修行したり………
そして遂に馬車が完成した。
その馬車は十人が座って乗れるくらいには広く、振動軽減の為のサスペンションが付いており、各部を補強するように金属パーツが使われている立派な馬車だと、完成品を確認しに行ったセフィア達が言っていた。
俺はまだ鍛冶修行が終わってないのでお留守番だった。
見たかったなぁ〜、馬車。
その翌日には防具が完成した。
一人分の防具を一式作ってもなんだか違和感が半端無いので全員分の籠手とブーツにした。
一人だけ真っ黒な革鎧を着込んだ男が女の子の集団に混じってるとか絵面が酷すぎるからだ。
そんで余った分の素材は買い取ってもらったので防具のお値段を安くしてもらえた。
と、受け取った嫁達が言っていた。
俺はまだ鍛冶修行が終わらない。
鍛冶修行に関しても日本刀の技術を使ったナイフを何本か作った後はひたすらに剣を作り続けた。
一本作ってはどこが良くてどこが悪いのかを考え、それをアリシアさんに聞いて合っているかの答え合わせをしてそれを元に更に練習するというサイクルだった。
そのお陰で鍛冶スキルのレベルがどんどん上がっていき、カンストして進化し鍛冶師スキルとなりレベルが2になった。
更に出来上がった剣を観察して良かったところと悪かったところを考えてたからかアイテム鑑定のスキルも覚えた。
そこから更に四日。
つまりは黄昏の獅子の打ち上げから十日かけてようやく合格をもらうことができた。
楽しかったけど、毎日毎日金槌を振っていたからか夢の中でも振ってたよ。
「よく頑張りましたね。」
「まあ、それなりに楽しかったですから。」
「それは良かったです。頑張って作ってましたものね、それ。」
「はい。喜んでくれるといいんですけどね。」
今手の中にあるのはお揃いの腕輪だ。
ずっと前に手に入れたルビーの原石を使っている。
パーティの証というか、そんな感じで用意した。
効果は攻撃力+10となっている。
ちなみにこれのお陰で彫金スキルも覚えた。
「次やるときは魔法金属を使いましょうね。」
「魔法金属!? それってオリハルコンとかミスリルとかですよね!」
「はい。」
「やっぱり魔法金属を使ってこその異世界ですよ。次が楽しみです。」
「そうですか。これは私も頑張らないとですね。では、戻りましょうか?」
「はい。」
家に戻り、セフィア達を呼ぶ。
「どうしたの?」
「みんなに渡したいものがあってな。」
「渡したいもの?」
「ああ。前に初心者ダンジョンで手に入れたルビーの原石を使ったアクセサリーを作ってな。仲間の証というか、なんというか、そんな感じでつけてくれると嬉しい。」
「ありがとう、レント。」
「ん。」
「ありがとうございます。」
「大切にしますね。」
「まあ、ありがと。」
「なかなかいいじゃない。」
「悪い気はしてないみたいですし、良かったですね。」
「はい。」
みんな喜んでくれて良かった。
この翌日は移動に必要な雑貨を買ったりしつつ英気を養い、更に翌日にようやく迷宮都市に行く事になった。
行こうと決断してから三週間経ってるし、馬車を買っていて良かったよ。
買ってなかったら更に時間がかかるわけだからね。
そして見送りに来てくれたセラさん達や黄昏さん達に手を振りながら迷宮都市を目指して進んでいく。
例によって夜は家に帰るけど。
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