第269話 馬はどうしよう? 的なお話

「えっと、話題が逸れちゃったけど、俺は前から迷宮都市に前から興味があったから行くって事でいいかな?」

「逸らしたのはあんたじゃん。」


蒼井、うるさい。


「と、とにかく。迷宮都市に行くって事でいいんだね?」

「うん。」

「ん。」

「はい。」

「いいわよ。」

「ありがとうございます。」

「もちろん!」


というわけで迷宮都市に行く事が決まったわけだけど、いつ頃にすべきかな。

ひとまずは黄昏さん達が帰ってくるまで待つのは確定としてもその後はどうしよう。

やっぱり早い方がいいよね。


蓮「それで、いつ頃に出かける? とりあえずは黄昏さん達にお土産を渡したいから帰ってくるまでは居たいけど……」

セ「確かに、せっかく買ったわけだし手渡したいよね。」

リ「ん。」

蓮「だよね。だから最低一週間はここにいるけど、それ以上はどうしようかなって。」

蒼「別に一週間でよくない? 黄昏の獅子の人達が帰ってくるのが遅れたり、準備に手間取ったら遅らせればいいわけだし。」

蓮「そうなんだけど……前にリィナさんに指導して欲しいって言ったから、また遠出するのは申し訳ないかなって思わなくもなくて。」

セ「そういえば、そんな事もあったね。」

蒼「じゃあ、いっその事一緒に来て貰えば?」

蓮「いや、それは流石に申し訳ないよ。リィナさんは黄昏の獅子の斥候だから居なくなるだけで仕事どころじゃなくなるだろうし。」

蒼「そっか。まあ、聞くだけ聞いてみたら?」

蓮「それは無理だから。申し訳なさすぎて出来ないよ。」

蒼「ふーん。まあ、無理強いしても仕方ないししょうがないか。あ、だったら馬車を買ったら? 馬車なら徒歩よりも早いし、その分の移動時間を稽古に費やせばいいし。」

蓮「馬車……ね。いや、馬を置く場所ないし無理じゃないかな?」

蒼「馬車を売ってる所の厩舎に置かせて貰えないの?」

蓮「さあ、それは知らないけど。」

セ「じゃあ今から聞きに行こうよ。そうすれば今後の事も考えやすいだろうし。」

蓮「それもそうだな。ここでグダグダ考えていても仕方ないしね。」


セフィアからの提案によってとりあえず馬車を売ってる店に行く事に。


「というか、馬車を売ってる店って………どこ?」

「「「「「「あ。」」」」」」


どうやら誰も知らないようです。


「というわけで、馬車を売ってる店を教えてください。」

「えーと、馬車ならギルドで貸し出しているんですが……」


困った俺たちはセラさんを頼ってギルドにやってきた。


「それは知ってるんですけど流石に数ヶ月単位は無理かなと思って。」

「数ヶ月? どこに行かれるんですか?」

「迷宮都市です。前から行ってみたいと思ってたし、シア達が行ってるから丁度いいかなって。お土産渡したいし。」

「そういう事ですか。それなら依頼を探してみては如何でしょう? 迷宮都市ならポーションの需要が多いですし、それ以外でも儲けるチャンスがあるので商人が良く出向いてますから。」

「依頼……いえ、それだと色々制限があると思うんで今回は遠慮したいです。うちのメンバー、女の子ばかりだし。」

「ああ。なるほど。お嫁さんに手を出す輩がいないか心配、と。」

「まあ、そういう事です。」


それも嘘じゃない。

でも、一番は夜になったら家に帰りたいからなんだけどね。


その後はひとまずカインでやっている馬車を取り扱っている店を教えてもらった。

そういえば馬車って結構高いだろうし買うとなった時に払えなかったら如何しよう。

そんな不安を抱きながら俺はみんなを連れてお店の中に入った。

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