第265話 牙を剥く的なお話

エルカを出る前にお昼ご飯を食べる。

レヴィの店だとまたややこしいことになりそうだから別の店にした。

ここも肉料理が大量だ。

そろそろモンスターパレードの時の肉が痛む出す頃だししょうがないだろうが、こんなに続くと飽きてくるな。

夜は魚にしてもらおう。


そしてやっと街を出る。

流石にもう盗賊はいないだろう。

もしもいたら今度は全殺しで行こう。



魚を食べたり、肉を食べたり、途中で取った果物を食べたりしながら歩き、行きと同様また十日ほどかけてカインの街に帰ってきた。

道中は盗賊が湧くこともなく、街道に出てくる魔物も大した事もないので語ることなんかないだろう。

精々、移動中がつまらなかったってくらいだし。


カインに帰ってきたことだしまずは………家賃を払わねば。

幸い沢山稼げたから余裕で払うことができる。

いっその事三ヶ月分くらい払おうかな。


不動産屋で家賃を三ヶ月分追加で払ったあとはアメリタ義母さんにお礼を言う為に紅の帽子亭へ。


「ただいま帰りました。」

「おや、おかえり。それにしても随分と長居したようだね。」

「まあ、色々ありまして。」

「というと?」

「モンスターパレードに遭遇したり、盗賊を捕まえたりと。」

「そいつはご苦労様だね。でも、いい経験になったんじゃないかい? あれだけの数の魔物と戦うなんてそうそうない事だからね。」

「確かにそうですね。それにそのお陰でみんな昇格しましたし。」

「そうかい! そいつはめでたいね。 お祝いはしたのかい?」

「まあ、多少は………というか、あれってお祝いって言えるのかな?」

「?」

「いえ、モンスターパレードの後に宴会して、そこで発表されてそのまま付き合わされたんで……あれをお祝いと言っていいのかなって。」

「そういう事かい。」

「でも、お祝いはいいですね。家に帰ったらやろうと思います。」

「それなら後で差し入れでも持っていくよ。」

「ありがとうございます。あ、これお土産です。アメリタ義母さんとリック義父さんの分があります。」

「ありがとね。」


義理の両親にエルカで買ったお土産を渡してから紅の帽子亭を後にする。

忙しい時間帯ではないとは言え、あんまり長居するのもどうかと思うし、十日分の疲れもあるしさっさと帰る。

十日間の移動で消費したとはいえストレージの中の食材には余裕があるし補充は明日でいいよね。


一月以上もカインから離れてはいたが、家にはちょくちょく帰ってきてたから旅行後の我が家に帰ってきた感がなくてなんだか変な感じだな。

それにアメリタ義母さんのお陰で埃やら汚れやらもないし。

ありがたや、ありがたや。


お祝いをする事になったということでその為の食材を出した後は、いつも通りお風呂掃除とその後の嫁と一緒の入浴へ。

今日はリリンだ。

すべすべプニプニの肌が抱き心地抜群です。


そして順に風呂に入り、日も落ちたということで早速宴だ。

流石にお酒は飲まないが凄く楽しい。

途中で宣言どおりのアメリタ義母さんの差し入れがあった。

中身は美味しいミートパイだった。

欧米かっ! っていうのは古いんだろうな。


楽しい宴はあっという間に過ぎ去り、後片付けをすませば後は寝るだけとなる。

そう寝るのだ。

今日は移動や宴で疲れてるからさっさと寝る………とはならなかった。

俺限定の性豪さんが牙を剥く。


結局寝れたのは嫁達全員と致してからとなってしまった。

明日の素振りは休もう。

ふわぁ〜。

お休みなさい。

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