第256話 みんな昇格しました。的なお話
宴もたけなわというか、結構な時間が経ちそろそろお開きにしようという雰囲気になっている。
騒ぎたい人達はそのまま二次会にという感じだ。
もちろん俺達はここでお暇するが。
そう思っているとギルマスさんが中央部に歩いてきて何やら喋りだした。
「え〜、そろそろお開きと行こうと思う。」
「「「「えぇぇぇーー! もう少しいいだろうが!」」」」
「お前らの感情も分かるから少しは黙って聞け! こほん。明日の仕事もあるし帰りたいという奴らもいるだろうしここでお開きにする。しかし、さっきのような馬鹿みたいなまだまだ騒ぎたい奴らもいると思う。だからここで二次会を開こうと思う。強制参加ではないし騒ぎたい奴らだけ残って帰りたい奴は帰れるようにしようと思う。」
「「「「おぉぉぉぉーー! 流石! 話がわかるじゃねぇか!」」」」
そういうことなら心置きなく帰れるな。
「だが、その前に冒険者レント、セフィア、リリン、ルリエ、アカネ、レイダ、ユウキ、ユーリ、レヴィ。ちょっとこっちへ来てくれ。」
「へ?」
え、何?
俺なんかした?
あ、ひょっとして、一番活躍したから最後まで騒げとかか?
そんなの勘弁だぞ。
そう思いつつ渋々といった表情を前面に押し出してギルマスさんの所に行く。
「そんな嫌そうな顔するなよ。というか隠さねぇか、普通。」
「別に。ただ、面倒ごとはごめんですよ。もう夜も遅いですし。」
「そんなんじゃねぇから安心しな。先ず、冒険者レント、セフィア、リリン。お前らはイビルナイトオーガロードを倒した功績を讃えて、冒険者ランクBランクを授与する。そして冒険者アカネにはC+へ。この四人をサポートし自身もCランクの魔物を単独で撃破した功績を讃えて、冒険者ルリエ、レイダ、ユウキ、ユーリをCランクへ。この者達と共に活躍したレヴィをDランクに昇格する。」
「はい?」
え?
ここで言うの?
というか、初耳なんですが。
そしてこの発言の後ギルマスさんは他の冒険者や宴会に参加している街の人々に向けてこう言う。
「こいつらが倒したイビルナイトオーガロードは遠間からしか見れてないが、恐らくBランク上位の力があったと思う。こいつらがいなかったらもっと犠牲者が出ていただろう。その功績を讃えての昇格だ。こいつらに盛大な拍手を送ってくれ!」
「「「「パチパチパチパチパチパチ」」」」
少しこそばゆいです。
しかし、なーんか嫌な予感がするんですが。
だって、宴に参加していた人達からもっと騒ぎたいオーラのような物が感じられるし。
そして、その予感は間違ってなかった。
「レントだっけ? お前スゲェな。ほらこっち来いよ。もっと飲もうぜ、騒ごうぜ。」
ほら来た。
しかし、セフィア達は絶対に帰さないと。
こんな奴らの前に出したら何されるかわかんないからな。
そうして周りに対して、まだ幼いとか、美容のためとか、明日もすることがあるとか色々言って無理にでも帰した。
まあ、その分の連中が俺のところに来るんだけどな。
結局俺は宴会が終わる明け方まで付き合わされる羽目に。
………はぁ。疲れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます