第195話 断られました。的なお話

まあ、準備といっても昼寝していた時のラフな格好から外行きの普通の格好にするってだけなんだけどね。


で、全員の準備ができたので出掛ける。


「で、ここが目的地?」

「そ。」

「へー。結構良さそうなお店じゃない。」

「だろう。まあ、俺もセフィア達に連れてこられたんだけど。」

「そうなんだ。それなのに良く自慢顔できるね。」

「あははは。」

「笑ってごまかさない。」

「まあ、それはいいじゃん。それよりも早く入ろうぜ。もう俺たちだけだし。」

「ああ! 本当だ!」


俺と蒼井が話している間にみんなは既に中に入っており、慌てて中に入るとどうやら受付なんかも済ましてくれていたようで、店の人がすぐにセフィア達が座っている所へと案内してくれた。


ここのメニューは今となっては高めと感じることは無くなっているが、それでも味が変わることはないので十分に楽しめる。

それは初めての人達も同じなようでみんな笑顔だ。

うん。

連れてきて、いや、提案して良かった。

お祝いなんだししかめっ面は似合わないもんね。


「おや? リリン達ではないか。」

「師匠。」

「リィナさん。今日はどうしたんですか?」

「どうしたも何も、普通に夕食を取りに来たのだが。」

「一人で、ですか?」

「そ、そうだ。悪いか。」

「悪いって言ってるわけじゃなくて、唯単にアベルさん達はどうしたのかなってレントは思ったんだと思いますけど。」

「そうです。」

「奴らはそれぞれの相手と仲良くしてるよ。それで、そういうそちらはどうしたんだ? 家を借りたんじゃなかったか?」

「お祝い。ルリエ達が昇格したから。」

「おお。そうか。ならば私もお祝いの言葉を掛けさせてもらおう。昇格おめでとう。それで何ランクになったんだ?」

「Eランクですよ。でも、みんなは登録してから一月経ってないんですよ。」

「そうなのか。それは凄いな。」

「えっへん。」


蒼井が誇らしげに言ってる。

確かにそれは凄いんだが、つき合わされたみんなのことを考えると素直に褒めれないんだよな。

と、それよりも丁度いいから稽古のお願いをしよう。

どこに泊まってるのかとか全然知らないからギルドで運良く会えた時かなと思ってたし。


「それで、リィナさん。お願いがあるんですけど。」

「どうした?」

「この前のハードジャイアントは倒せなかったし、自分の技術が全体的に足りてないと感じてて。だから稽古をつけてくれないかな〜って思いまして。」

「なるほど。いいだろう……と、言いたいところなんだが、残念ながらそろそろ次の仕事をしようっていう話になっていてな。少ししたらこの街を離れることになっているんだ。」

「そう、ですか。そういう事なら仕方ないですよね。」

「すまんな。まあ、そういう事なら仲間内で模擬戦なんかをしてみたらどうだ。本気でやってみたら何か分かるかもしれないし、唯戦うだけでも技術の向上にはなるだろう。」

「分かりました。と言っても流石にルリエ達に本気で戦うなんて出来ないんですけどね。」


稽古をつけてもらえないのは残念だけど仕事なら仕方ないよね。


その後は二言三言、交わしてからリィナさんとは別れる。

というか、リィナさんが自身の席に着いた。


リィナさんと別れた後も夕食は続き、みんな笑顔で店を出る事ができた。

お祝いって事だし本当は何か贈りたかったんだけど、四人分は流石に思いつかなったんだよね。

まあ、のんびりしたかったってのもあるけど。

明日はその辺の事も考えようかな。


家に帰ったら各自風呂に入っておやすみとなるが俺達は夜の営みをしてから寝ました。

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