第194話 のんびりまったり的なお話

「そういえば、昇格祝いとかした方がいいか?」


試験の翌日。

いつも通り素振りをしたり料理の手伝いをした後の朝食中にふと思ったのでルリエ達新人組に聞いてみた。


「「いいんですか!?」」


ルリエとレイダさんがハモった。

ルリエは遠慮、レイダさんは奴隷の身分で本当にいいのか、という感じかな?


「して貰えるのならして欲しい……かな。」

「よろしく〜。」


アカネは遠慮がちにだがお願いしてきて、蒼井は……軽いな。

というか少しは遠慮という言葉を考えろよ。

提案したのは俺だけどさ。


「いいんじゃないかな? 僕達もやってたしね。」

「ん。楽しかった。」

「んー、まあ、二人もこう言っているし、嫌だっていう人もいないし、やろうか。お祝い。」

「「ありがとうございます。」」

「ありがと。」

「ありがとー。」


また、ルリエとレイダさんがハモった。

この二人は基本言葉遣いが丁寧だから台詞も似通うし、タイミングが合えばハモる形になるわけだ。


「それで、具体的にはどうするの? 家でやるのか、若しくは何処か食べに行く?」

「それなんだけど、あそこにしようかなって。ほら、俺達が同じようにお祝いしようって時に行ったところ。」

「あー、あそこ。うん。いいんじゃないかな?」

「妥当。」

「あそこって何処よ?」

「まあ、それは祝われる側なんだし行ってからのお楽しみって事で。」

「で、何処よ?」

「話聞けよ。後、絶対に言わないからな。」

「ケチ。」

「うっさい。」


こういうサプライズ的なのは秘密の方がいいに決まっている。

既にお祝いはするって言っちゃってるけど。

と、それは置いといて、サプライズってのは普通喜ばれるべきなんだと思うんだけど。

ドッキリと違って喜ばせるのが目的なんだしさ。

なのに、なんでここまで知りたがるのかな?


「とにかく。今日の夕方六時に家でるからそのつもりで。それとは別に、みんなは今日はどうするつもりなんだ? ちなみに俺は昨日色々あって疲れたからのんびりしたいです。」

「僕はレントと一緒がいいな。リリンもだよね?」

「ん。」

「私はー、私もお兄さんとのんびりします。」

「私はダンジョン行きたい。アカネとレイダさん。一緒に行こう。」

「いいけど、レイダさんは……」

「私は仕事がありますから。」

「今日はそんなの気にしなくていいよ。だって今日の主役は四人なんだから。」


レイダさんが仕事を理由に断るが、俺がそう言うと


「そ、そうですか。ありがとうございます。それでは私もダンジョンに行ってきます。」

「うん、行っておいで。あ、でもダンジョンの外には気をつけてね。中なら問題ないんだけど。」

「分かっております。」


というわけで、俺と嫁さん達は家でのんびりして、それ以外の人達が初心者ダンジョンに行くそうだ。


今日の予定が決まったので、朝食を終えてそれぞれの予定に向けて動き出す。

まあ、俺達はのんびりするのが目的だから動き出すってほどでもないんだけどね。



四人で家の事をさっさと終えると早速のんびりする。


ベッドの上でゴロゴロしたり、適当な本を読んだり。

お昼になれば一緒に準備して、一緒に食べて、またゴロゴロする。

四人でトランプをしたり、また本を読んだり。

それらに飽きたらまたベッドでゴロゴロとしてそのまま昼寝をしたりとまったりと過ごした。


こういうのって時々するからいいんだよね〜。

毎日だと苦痛だろうけど、偶にやるとすごく気分が良くなっていいんだよね。


そんで、みんなでのんびりお昼寝をしているとダンジョンから帰ってきた三人に起こされる。

どうやらもう五時半のようだ。


んじゃ、そろそろ行く準備でもしますか。

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