第189話 試験官開始的なお話
今日はルリエ達の昇格試験だ。
ルリエ、アカネ、レイダさんは蒼井に付き合わされて散々依頼を受けていたそうで、蒼井と一緒に試験を受けれる様になっている。
そして、俺達にとっては初めての試験官だ。
どんな奴らが来るのか少し楽しみだな。
でも、その前に恒例の素振りをしよう。
◇
「「1996、1997、1998、1999、2000。」」
「お疲れ、セフィア。」
「レントもお疲れ。さて、それじゃ朝ごはんにしようか。」
「おう。」
セフィアと一緒に朝食の用意をしているとリリンが起きてきた。
なのでリリンも一緒に朝食の準備をして、遅れて起きてきた連中と一緒に食べる。
「俺とセフィアにリリンは10時くらいに出掛けるから。」
「そう。まあ、私達も午後から昇格試験だから構わないんだけどね。」
「じゃあ、そういう事なんで。」
その後は家の掃除を軽くして時間を調節してからギルドに向かう。
「おはようございます、レントさん、セフィアさん、リリンさん。今日はよろしくお願いしますね。」
「「「おはようございます。」」」
「早速ですが、他の方達と顔合わせをお願いします。」
「わかりました。」
そう言って紹介されたのが………昨日も会ったクルト達、鋭き刃さんだった。
……それで昨日はあんな中途半端な時間に居たのか。
まあ、こいつらなら昨日も会ったし大丈夫そうだな。
それ以前にゴドウィンが新人達のトラウマにならないかの方が心配だ。
森の中でこんなのが立っていたらビビるぞ、普通。
「えーと、それで配置について話すんでしたっけ?」
「そうですね。その辺はパーティの関係もあるので勝手に決める訳にはいかなかったので。」
「分かりました。という訳でクルト。全部任せた。」
「おいーー!それはいくらなんでも酷すぎるだろ!」
「冗談だ。そういえば今回のターゲットは何ですか? スライムですか?」
「そうです。」
「確かここら辺に多くいたから、クルト達はそこを中心にして見ててくれ。で、俺らは合流し次第、こっちの中域辺りで強いのが流れて来ないか見張るってことでいいか?」
「えっ? あ、うん。いいんじゃないか。」
「急にどうした。ボケるのは三日後にしてくれ。」
「早ーーよ! つうか、急な態度の変化についてけなかっただけだよ。」
「まあ、悪かったよ。で、さっき言った通りでいいか?」
「三人で大丈夫か?」
「俺らの方がランクが高いんだから問題ないだろう。」
その後も緊急時の対処の方法やいざという時の連絡の仕方なんかを話してひと段落した頃にお昼になったのでギルドの酒場の料理を食べる。
さて、そろそろかな?
◇
俺とセフィア、リリンはセラさんと一緒にギルドホールに向かう。
そして新人達の前で昇格試験についての説明をするセラさんの横で新人達を観察する。
ちなみに四人は口を開けて驚いていた。
うん。
その顔もかわいいな。
そして、説明が終わり模擬戦に移行するがその際にルリエ達がびっくりしたとか、先に教えといてよ、とか言われたが驚かしたかったからと伝える。
すると若干脹れるが、それもかわいいな。
とはいえ、ルリエといちゃつくのは模擬戦もあるからそこそこにする。
そして、俺、セフィア、リリンは三人に別れてそこに均等に模擬戦を選んだ新人達が並ぶ。
俺の所の一人目はいかにも冒険者に憧れる少年って感じの奴だった。
使ってるのは片手剣と盾だ。
対して俺はヒノキの棒を選ぶ。
こういう時じゃないと使わないしね。
そして最初の模擬戦が開始される。
暫くは様子を見ようかね。
さっさと倒しては試験にはならないだろうし。
新人君は剣を振ってくるが、スキルを持っていないからなのか、剣筋が出鱈目だ。
Fランクの魔物相手ならばこれでも倒せるだろうが、EやDでは通用しなくなってくるだろう。
まあ、それはそのうち覚えるかもしれないから及第点かな。
そんで攻撃なんだが、若干弱いな。
そろそろ軽く攻撃してみるか。
ある程度防げればまあ、昇格してもいいかな。
「そろそろこちらからも行くぞ。」
「は、はい。」
先ずは軽く振り下ろす。
すると何故か剣で防ぐ。
盾は飾りかよ。
その後も軽く打ち込んでいくが、剣で防ぐ確率が高い。
これじゃ駄目だな。
何の為の盾か分かったもんじゃないし、盾で防いで剣で攻撃できるから良いのにその剣を封じてたら意味がない。
「ほい。これで終了。」
「ぐはっ。」
剣をかち上げてから反対の所、槍でいう石突きの部分で胴を突いて終わらせる。
忘れるといけないから思った事を伝えると新人君はうな垂れた。
お、俺は悪くないよな。
これが仕事なんだし。
突然のことに俺は少し狼狽えてしまったが、うん。
気持ちを切り替えよう。
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