番外編 エルナとアレクシア
私の名前はエルナ。
お父さんとお母さん、そしておばあちゃんと一緒に暮らしてました。
ただ一つ問題があるとすれば、それはおばあちゃんがサキュバスだということです。
お父さんは小悪魔族でお母さんは人間とサキュバスのハーフで、私はおばあちゃんのサキュバスの血の影響でその、む、胸がとても大きくなってしまったんです。
お陰で10歳くらいから胸が大きくなり、11歳の頃には周りの人からじろじろと見られてしまいました。
その時の目がとても怖くて、気付いたら人と接するのが苦手になってしまいました。
でも、それじゃいけないとおばあちゃんが言ってお父さんとお母さんがそれに同調して、その結果私は一人旅をすることになりました。
とはいえ旅に出てすぐに人見知りが良くなるはずもなく、街や村を避けて林の中を進んでいった。
でも、流石に一月も経つと服がだいぶ汚れ、ほつれも気になってきました。
なので近くの村に入ろうと思ったんだけど、も、門番の人が男の人で、とてもじゃないけど近づけなかった。
そうしてしばらく睨んでいると後ろから声をかけられて、ついびっくりして木に隠れてしまいました。
その人はとても綺麗なエルフさんでした。
私と違って背は高いし、胸も慎ましやかだし、凄く羨ましい感じです。
でも、話しかけられても恥ずかしさからきちんと応対するのに時間が掛かってしまいました。
その後、そのエルフさんに頼りきる形で村の中に入ることが出来ました。
そのままついて行って同じ部屋に泊まっちゃいました。
あつかましいとは思ったんだけど、久しぶりの話し相手が欲しかったんです。
男の人は怖いけど、女の人は割と平気なんですよね。
そう思っていたら村に魔物が襲ってきたって聞いて、エルフの人が窓から飛び出して行っちゃって、私も慌てて追いかけました。
追いかけた先で見たのは百はいるであろうゴブリンの群れでした。
私は先ずフレアカノンを使いました。
この魔法はファイヤーボールを雛形に火力と範囲、そして速度を大幅に上げたお母さん独自の魔法で、これを食らったゴブリンが、七、八匹くらい燃えています。
それからは私がフレアカノンを撃ち込み、その炎を利用してエルフさんが風魔法で更に火力を上げたり、拡散してゴブリンを全て倒しました。
全てが終わったら近くで一緒に戦っていた村のおじさんが話しかけてきます。
「あんた達凄いね!ひょっとして高ランク冒険者かい?」
それにエルフさんは答えていきます。
どうやらエルフさんは冒険者に興味があるみたいだけど、どうしよう。
私は出来ればこの人と一緒に居たいと思っているけど、冒険者になるならどうしても男の人の目に晒されるよね。
こ、怖い。
でも、私は人見知りを治すために旅に出た筈だよね。
宿に戻りながら一つの決意をする。
宿に帰ってエルフさんはお礼を言ってきた。
「さっきはありがとね。お陰で大きな被害が出る前に倒すことが出来たわ。」
私は詰まりながらもそのお礼に返答をして、自分の意思を伝える。
するとエルフさんは目をパチクリさせてからこう答えてくれた。
「フフッ。これからよろしくね。私はアレクシア。あなたは?」
私は自分の名前を改めて名乗り、差し出されていた手を握る。
それからは色々なことを話したり、ご飯を食べたりしました。
そしてお湯をもらって身体を拭きます。
流石に幻術を使いながらだとちゃんと拭けないので幻術を解くとアレクシアさんが凄い勢いで食いついてきた。
そして胸のことから始まり、血縁や人見知りになった理由などを話すことになりました。
でも、そのお陰でアレクシアさんが旅に出た理由を聞くことが出来、お互いのことを知ることが出来ました。
◇
それから冒険者になる為に移動を重ね、後少しというところでタイラントフレアレックスと戦っている人達を目撃しました。
その人達は圧倒していて、どうせ冒険者になるならああいう風になりたいと思い、街に着き宿に宿泊してからシア(アレクシアさんがこう呼んでいいって言ってくれた)とともに黄昏さんみたいになろうと誓ってから眠りにつく。
明日から冒険者かぁ。
男の人は怖いけど、ちょっとわくわくするなぁ。
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