第87話 準備をしています。的なお話

「太陽が眩しいね〜。」

「まあ、ほぼ丸一日ダンジョンの中に居たからな。」

「…ん。風気持ちいい。」

「ほんとだね〜。」

「確かに、気持ちいいな。」


少しの間日光と風を感じる。


「それじゃ、そろそろギルドに行くか。」

「そうだね。」

「ん。」


ダンジョンから寄り道せずにギルドへ向かう。

その道中に試験依頼について話し合う。


「一回ダンジョンで夜営をしてみたけど、どうする?」

「う〜ん。今回はリリンもいたから良かったけど、試験の時にはリリンはいないし、どうしようね。」

「そうなんだよな〜。とりあえず当日に臨時パーティを組む事になると思うから、試験を受ける人を見てから決めるか。」

「まあ、それがいいかな。」


一応の方針が決まった後はちょっとした雑談なんかをしながらギルドへ向かう。

そしてギルドに着く頃には十二時を過ぎてしまった。

なので、買取をしてもらう前に腹ごしらえを済ます。

今日はチャージラビットのソテーだ。

最近はダンジョンのお陰でちょっとした小金持ちだ。

といってそのうち家とかも買いたいからまだまだ貯めないといけないんだけどな。

宿生活も楽でいいんだけど、やっぱり日本人としては風呂のあるマイホームは欲しいよな。


そしてダンジョンでの収穫品を買取してもらう。

今回のダンジョンは野営の訓練の為に潜ったから戦闘はあまりしていなかったからな。

それでも50000リムはした。


ギルドを出た俺たちはそのまま宿へと直帰した。

昼はとっくに過ぎてるから依頼を受けるのもあれだし、そもそも丸一日ダンジョンに潜ってたからな。

だから今日は宿でのんびりする。

三人で宿のベッドで昼寝をした。

こういうのってなんかいいよね。

和むというか、なんかそんな感じがしてさ。


そして夕食を食べて、二日分の汚れを拭った後に夜伽をしよう。と思っていたらルリエが部屋にやって来た。

目的はやはりというかなんというか。


翌日になって目を覚ましたが既にルリエはおらず仕事へ向かったようだ。

やっぱり宿の人はすごいな。

俺達も仕事の準備をしないとな。


朝食を終えた後は、夜営で見張りをする際に時間を潰せるようにというとあれだが、普通の人に見られても問題ない読み物を求めて本屋へと向かう。


やっぱり異世界なだけあって高いな。

印刷機なんて無いだろうし、製紙技術も現代日本ほど発達していないのだろう。

なので少なめに選び、有名そうな英雄譚を幾つかと魔法の指南書を買った。


本屋の次は皮鎧を扱う店だ。

護衛依頼をするかもしれないし、もしした場合に何かある可能性があるので、この機会に防具を新調した。

ワンセット50000リムと結構なお値段だが、身を守る物に対してケチる理由も無い。

それをサンセット、つまりは三人お揃いという事だ。


その後はギルドで昼食を頂く。

シュヴァインフロッシュのドロップアイテムをふんだんに使ったシチューだ。

とろっとろになるまで煮込んであって凄く美味しい。


昼食の後は細々とした物とアイテムバッグという、アイテムボックスを付与された魔道具を買ってから帰った。

アイテムバッグは探検家が使うようなバックパック二つ分くらいの容量があるが、30000もした。

今回俺とリリンが別れたからな。

そうなると持っていける荷物の量が激減してしまうのを軽減するのが目的だ。

それに今後も誰かと別行動しないとも限らないからな。

その時に備えてという側面もある。


夕食を食べて身体を拭く。

今日の夜伽はリリンとルリエの相手をたっぷりする。

明日から暫く離れ離れになると思うからな。


更に翌日。

持ち物を分けた後にギルドへ向かう。

今朝はルリエが見送りしてくれた。


依頼試験を受ける人は他にどんな人がいるのやら。

出来れば女の人と臨時パーティを組みたいな。

セフィアに手を出そうとして役立たずになられても困るからな。

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