第58話 第一ダンジョン人的なお話
朝だ。
既に起きていた二人に起こされる。
今日からは昨日決めた通りダンジョンに行こうと思う。
でも、その前にまずはギルドに行っとこうかな。
何か依頼があるかもしれないし。
というわけで朝食を終えて俺達はギルドに向かう。
◇
依頼を見てみるとドロップアイテムの納品ばかりだった。
それも、ボスやレア固体にレアドロップと書いてあるのばかり。
レアドロップってのはあれか、低確率で落とすっていうゲームなんかだと良くある感じの。
とはいえ、ダンジョン初心者が受けるべきではないな。
アイテム狙って長居した結果死に戻りなんて嫌だし。
だけど、そうなるとどうやってお金稼ぐんだろ?
やっぱり、魔石は売れるのかな?
と思って聞いてみた。
「魔石って売れるんですか?」
「はい。魔石は魔法道具にはなくてはならないものですから。といってもこの街にあるのは初心者ダンジョンですからそれほど高価にはならないんですけどね。それと、ドロップアイテムの買取もやっていますのでそちらの方もよろしくお願いしますね。」
「分かりました。」
◇
街を出て歩くこと三十分。
今日は運良く魔物と遭遇することもなく無事にダンジョンに着いた。
そしてそのダンジョンには何やら妙な石碑がある。
その石碑にはダンジョンの説明とダンジョンを創った目的が書いてあった。
「この世界から出て行く魂が多いと上司に叱られました。なのでこの世界の人の生存率を高める為このダンジョンを創りました。
アリシア」
これは、なんというか。
でも、この石碑の古ぼけ具合から数百年は経ってるし、きっとまだ若かったんだ。うん。そうに違いない。
今度会ってもこの石碑には触れないでおこう。
ひょっとしたら黒歴史になってるかもしれないし。
「それじゃ、ダンジョンに入るけど、二人とも問題無いよね。」
「うん。大丈夫だよ。」
「…ん。」
「とはいえ、初めてだから先ずは五階層までを目指そうか。」
「そうだね。それがいいよね。」
「分かった。」
◇
想像していたより、明るかった。
これなら松明とか必要無かったな。
さっきその辺で拾った木の枝だけど。
そして第一村人(?)と遭遇する。
ゴブリンさんだ。
そのゴブリンさんは四人組で手には棍棒を持っており、外で見ることができる普通のゴブリンと変わらなかった。
とはいえ閉所での戦闘は初めてだ。
なのでセフィアには土魔法で拘束を頼み、俺とリリンが前に出る。
二列になって襲ってくるゴブリンに対し俺とリリンも二列になって応戦する。
棍棒を振りかぶってきたのでそれを半身をずらして躱すと同時にゴブリンの首落とす。
そして肉薄してきたもう一匹の攻撃を剣で受け止めるとゴブリンの腹めがけて蹴りを入れる。
そしてたたらを踏むゴブリンに向かって唐竹を打ち込み一刀両断する。
そして倒したゴブリンの方を見るとゴブリンの肉体が黒いかすみとなって消えた所だった。
話には聞いていたけど、本当に遺体は残らないんだな。
さてと、お待ちかねのドロップアイテムを…と思い拾って見てみると一つだけ異彩を放つものがあった。
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